ロッキー・リャン氏の『成功の真実』

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 昨日、書店の中を歩いていたら、ロッキー・リャンという人の書いた『成功の真実』という派手な装丁の本が偶然目に止まり、私にしては珍しく中身も見ないですぐ購入した。
 ロッキー・リャンという人物が何者かも知らずに、である。
 家に帰ってパラパラめくってみた。
 深夜、テレビの「ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ」を見た。
 いつもなら12時に終わるのだが、今回は12時35分に終わった。時間の変更があったようだ。
 普段の私は寝る前は、本を傍らに置きつつも、12時を過ぎていれば結局1ページも読まずに寝てしまう。
 それが昨日はなぜかこの本が気になって、サラ・コナーが終わってからいきなり読み始め、結局2時過ぎまでかかって全部読んでしまった。
 大変刺激に満ち溢れた本だった。
 面白かった。
 著者は台湾の人で、青年時に父から疎まれ(悪魔、とまでののしられ)、うつになり、9年かかっても高校を卒業しておらず、自殺直前まで行き・・・という地獄のような青年時代を過ごしたのだが、その後「夢」「目標」を持ち、明確に期限を設定し、仲間を集め、自らもセールスに奮闘し、結局それから十数年で億万長者になり、今なお成功を重ね続け、自分だけでなく仲間や生徒にも自分のやり方を公開し成功者を輩出させようとしている人である。
 また中国の発展を強く望んでおり、中国の経済発展を成し遂げることが夢だと頑張っている人でもある。
 これまで成功本という類のものをいくつか読んできた。
 古くは謝世輝氏の『願望はゼッタイかなえられる』に始まり、『マーフィー100の成功法則』『巨富を築く13の条件』『ザ・レター』など。最近は読書に加速度がつき『成功本50冊勝ち抜け案内』『成功本51冊もっと勝ち抜け案内』『非常識な成功法則』『思考は現実化する』『ザ・シークレット』『引き寄せの法則』など、その筋の本命と言われる本を片っ端から買い込んで読み漁っている。
 自分は何がしたいのか。
 ということがはっきりしていないと、こんな本いくら読んでも意味はない。
 自分にしたいことはもちろん色々ある。
 毎日のようにノートに夢を書き込んではそれが実現した情景を思い浮かべて眠りに就く。
 まあそれはいい。
 ともかく、そういう行為がいい、ということを、この著者も言っている。
 いやむしろ、この本は、これまで出た色々な成功本を集大成したような内容である。
 引き寄せの法則あり、ザ・シークレットからの抜粋あり、非常識な成功法則で神田昌典氏が言っていることと同じことも言っており、しかも全て自分自身の体験談なのだから迫力がある。

 今まで成功本と言われる類のものをご覧になったことのない方は、是非これを読んでみられたらいいとおもう。

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高田明和氏の『心がスーッとするブッダの呼吸法』

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 呼吸法については、以前から関心があっていくつか類書を読んでいる。
 高田明和氏の『心がスーッとするブッダの呼吸法』はわりと読みやすい本だった。
 正しい呼吸法を行えば、ストレスは消え、病はなくなり、落ち着きが増し、長生きができる。
 80歳まで健康に生きていき、最後にぽっくり死ぬことを理想としている私にとって良い呼吸法を習得することが重要な目標の一つだ。
 本に書いてあった重要な点をかいつまんで記録しておく。(初読者への解説ではありません。あくまで自分の備忘録として)
足心呼吸:足の裏から空気を吸い込んで(吸い込むような気持ちになって)、へそまで入れる。へそから徐々に吐いていき、足の裏から吐き出す(気持ちで)。
つぶやき:困ったことは起こらない、全ては良くなる、いやな過去は思い出さない。
中渚(ちゅうしょ)というツボ:手の小指と薬指の間の1センチほど下のへこみを軽く押す(反対の中指の腹で押す)。
無の呼吸:ムーーーーーーーーッと唱えながら吐き、吸う。数息観、禅の工夫に通ずる。

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『100年予測』byジョージ・フリードマン

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 フォト・リーディングでジョージ・フリードマンの『100年予測』を読んだ。
 ここ2~3週間ほど、ベストセラーが続いている本だ。
 欧米では今年の早い時期に既に大ヒットしていたようだ。
 未来予測ものであろう、と勝手に解釈して買い、表紙を見るとそうではないことがわかるにも関わらず、相変わらず読む直前まで、未来予測ものだと思い込んでいた。
 もちろん未来予測ものではあるのだが、科学技術で暮らしぶりはこう変わる、といったようなSF的なものではなく、どことどこが戦争して、どこが衰退して、といったような極めてポリティカルな内容だった。
 しかも楽観的なことは全然書いてない。
 地政学と「歴史は繰り返す」という格言に基づいて、冷厳に今後の世界のパワーバランスを述べたものだ。
 結論を書こう。
 21世紀は引き続きアメリカが覇権を唱え続ける時代だ、と言う。
 そしてこの本は、あくまでアメリカを中心に書かれた政治・軍事の本だ。
 続けて言う。
 アメリカに挑戦する勢力は色々出てくる。
 今後中国とロシアが強大になるが、中国は豊かになればなるほど分裂の方向に向かい、ロシアは資源大国となり再び冷戦を招くが、かつてのソ連のような力はなく、やがて瓦解する。2020年にはこれらの国は力を弱めてしまう。
 その後弱った中国とロシアの空洞を埋めるため、東からは日本が、西からはポーランドとイスラムの盟主となる、かつてのオスマン帝国トルコが勢力を拡大する。
 アメリカはそれをある程度は応援するが、増長しすぎた日本とトルコを押さえにかかる。
 日本とトルコは同盟を結び、アメリカの軍事力を叩こうと奇襲攻撃をかける。
 2050年に戦争が勃発する、とフリードマンはシナリオを描く。
 が、最終的にはアメリカが勝つ。
 その時代の軍事力は、宇宙で発電してマイクロウェーブで電力を送り、通信ネットワークで結ばれたロボット(もしくはロボットスーツを身につけた超ハイテクな兵士)たちが主力であるという。
 さらにその後は現在GDPでは十数位にある、メキシコなどが台頭し、やがてアメリカすら脅かす存在になる。
 なぜ日本とトルコが同盟を結んでアメリカの覇権に対抗しようとするのか。
 その理由は多分に地政学的な分析によるものらしいが、力が弱まったエアポケットに、吸い込まれるようにして近隣の諸国がそこに入っていくのは、自然なことだろうとは思う。
 とにかく、近未来ものとしては十分刺激的な本だし、SF戦記小説としても面白かった。
 個人的な希望としては、アフリカ諸国や東南アジアやインドなどがもっと出張ってきてもおかしくないのではないかと思うのだが、ポリティカル予測の世界では、これらの国々は、あまり力が強くならないだろうとの予測なのか、それとも著者がそれらの国々のことをあまり知らないのか。それはわからない。

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松本清張『ゼロの焦点』

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 次男の買っているテレビ番組の雑誌を見ていたら、松本清張氏の『ゼロの焦点』が映画になって近く公開されるとの広告が載っていた。
 う~ん、久しぶりにサスペンスでも読んでみるか、と思い、早速購入した。
 ちなみにカッパノベルスでなんと500円という価格で売っていた。(文庫本より安かった!)
 フォトリーディングを使って読んでみた。
 フォト・・・をやっている間はとにかく脳ミソに直接放り込む感じなので、内容を理解しているのかどうかも全然わからない。
 終わってすぐに「スピードリーディング」という手法で追読した。
 日頃ビジネス書類ばかり見ているせいか、小説はスピーディーに読める。
 途中用事が入ったりして断絶はあったものの、大体1時間ちょっとで読み終わったのではないか。
 昭和34年というから、50年前の推理小説である。
 しかし、時代背景を別にすれば、全然古臭くない。
 西村京太郎も内田康夫もかすむくらいの感じだ。
 面白かった。

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『2010年長谷川慶太郎の大局を読む』

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 10年以上前、長谷川慶太郎氏の『19xx年、世界はこうなる』を読んだ。
 その年の版には、ワシントンだかどこだか忘れたが、アメリカのある主要都市では通信料金が月額30ドルの定額で利用し放題だ、と書かれていた。
 その頃我が国はISDN花盛りで、NTTは利益の極大化を図る一方で、新規参入キャリアの値下げ攻勢と古い設備の償却負担に苦労しながら長距離料金の値下げを徐々にしていく、という、いかにハードランディングにならないように事業を運営していくか、ということに神経質になりながら経営がなされていた時期で、とても「定額」などという料金体系に切り替えられる状態ではなかった。
 しかしその1年後ぐらいに、NTTも「フレッツISDN」という定額サービスを打ち出し、通信サービスの定額制サービスが広まっていった。
 日本でも定額制が必要なのだろうなあ、と思いつつ、そんな価格破壊みたいなことをしてNTTは持つのだろうか、でも時代の流れかも知れないし、それができればもっとインターネットの利用は増え、結果的にNTTも素晴らしい会社になるだろう、そういう意味ではこの「アメリカの定額制の情報提供」は重要なメッセージだよな、と読んだ当時は思っており、それが1年後に実現したから驚いた。
 それ以来、この人の提供する情報にはきちんと聞き耳を立てておかなければならないな、と思うようになった。(ここ数年、通信事業に対しては全く言及なさっていないのが寂しいが)
 さて新著の『2010年 長谷川慶太郎の大局を読む』であるが、これまで自民党の政策にお墨付きを与え続けてきた人だけに、今の民主党政権の政策に対して、無批判に賛同することはできないのであろう。
 小泉政権の功罪について、わかりやすく論評し、民主党の政策については、是々非々で論じておられる。
 今回のメッセージのおおよその内容。
・アメリカの軍事力は世界において圧倒的に強く、そのため当分戦争は起こらない。
・戦争が起こらない世界では、デフレが続く。
・このデフレは100年続く。
・デフレの世界では、政府の役割は小さくすべきである。
・その意味では小泉政治は政府の役割を小さくするための取組であった。
・小泉首相はその意味をきちんと説明しなかった。
・閣僚にも伝わらず、国民にも伝わらなかった。
・お金を集め、効率的に投資する機能はニューヨークにあり、今後もニューヨークが世界の金融の中心であり続ける。
・電気自動車は部品点数がガソリン車の三分の一でいい。(部品メーカーの淘汰が起こる)
・研究開発がこれまで以上に重要になってくる。
・アメリカの自動車産業は日本メーカーが担っていく。GMの復活はありえない。
・中国は世界の工場から市場へ転換した。
・隣国の政治的崩壊が東アジア経済の特需をもたらす。
・・・というようなことで、残念な点は「デフレ経済下では、小さな政府でなければならない」ということの理由がほとんど述べられていないため、なんで?という点が理解できないことである。ここのところをもう少し詳しく勉強しなくては、と思う。

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横内祐一郎氏の『運を掴む』

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 フォト・リーディングの萩原京二講師が「感銘を受けた」と紹介しておられた、横内祐一郎氏の『運を掴む』(学研)という本をフォト・リーディングを使って読んだ。
 戦時中、教師をやっていて20歳で親の農家を継ぎ、大成功している最中に、農業自由化の動きを聞いて農家から楽器製造業へ転進。
 昭和35年に32歳で富士弦楽器という会社を当初3人でスタートさせ、遂には世界一のギターメーカーに仕立て上げた人物の自叙伝である。
 元々自分自身で色々工夫したり努力したり、という人であったことが農業を営み始めた時の話でわかる。
 しかしこの人の成功には、その時そのときの、偶然の人との出会いを最大限生かしていることが大きく影響している。
 私の印象に最も強く残ったのは、ギターを直接外国と貿易するために単身アメリカに渡り、電話でアポを取ろうと必死になるも全然取れず、飛び込み営業するとアポなしはダメと断られ、遂に3ヶ月全く営業の成果が上がらず、街角で泣き崩れていた時に、たまたま通りかかったハリーという名の海軍のお医者さんから「どうして泣いているのか」と尋ねられ、わけを話したところ、親切にも家へ招かれ、英語がうまく話せないことがアメリカでのコミュニケーションがうまく行っていないことの原因だとわかり、それから毎日医師とその奥さんから英語のレッスンを受け、米国人の言葉がわかり相槌の打ち方などもわかった10日後、その家を辞し、次の日にアポイントの電話を入れたところ、即OKとなり、それからというものニューヨーク、ワシントン、シカゴなど、アメリカ各地で注文が取れまくり、遂に世界へと進出するきっかけになった、という下りである。
 3ヶ月の間、日本にいる三村社長からは「何を遊んでいるのか」という主旨のことを言われ、辞表すら送っていたという状態だったのが、偶然の出会い、それも相手から声をかけてもらい、それに素直に応じて必死に学んだ、といういきさつ・・・。
 キーワードは、「八方手を尽くした後」、「偶然の出会い」「先方から声」「素直に応じた」「必死で学んだ」といったあたりだろうか。
 その後も、昭和40年代のギターブームとその後の過剰在庫による経営危機、倒産寸前の状態から銀行による支援の手、火事での経営危機、など、幾多の危機が降りかかってくるのだが、その都度、誰かが支援の手を差し伸べてくれたり、社員が団結して危機を乗り越えてくれたりと、この人の日頃の「人を大切にする経営」と「他によって生かされる」ことによって、ダウンとアップを繰り返しながら成長しているのである。
 グレコ、と言えば、私のような者まで知っているギター業界の高級品である。
 それが、この富士弦楽器(現社名はフジゲンというらしい)という、社名を知らない会社の品物であり、マーチン、ギブソン、フェンダーなどという名だたる世界的なギター・メーカーから工場見学に来るなど、世界的なメーカーに創業からわずか20年ほどでなった長野の会社だった(私が中学生の時点で)などとはついぞ知らなかった。
 横内氏の著書から学ぶことは大変多かったが、いくつか列挙する。
 ・目標を極力具体的に設定し、それに向けて行動していくこと
 ・一人でも部下を持ったら自分はリーダーであり、その人の良い点を100見つけ、それを相手にも周囲にも認めさせるよう語ること
 ・そしてその人の能力よりも一段階高い仕事をさせること(自らにも一段階高いハードルを設けること)
 ・他人のためになることを念頭に置いて何事にも取り組むこと
 ・非凡な考え方をし、非凡な行動をすることが周りから感謝され成功する秘訣であること
 残念ながら現在は廃刊のため、古書で手に入れるしかないようである。(by アマゾン)

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ローマ人の物語から五賢帝を読む

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 久しぶりに塩野七生さんの『ローマ人の物語』を読んだ。
 というか、数ヶ月の通勤電車の中で、ちょぼちょぼと読み継ぎ、ようやく文庫本一冊読み終えた、ちうのが正しい言い方だ。
 今回読み終えたのは『ローマ人の物語 文庫24 賢帝の世紀(上)』である。

 ローマの五賢帝といえば、高校生の時に世界史で教わった、ネルヴァ、トラヤヌス、ハドリアヌス、アントニヌス・ピウス、マルクス・アウレリウス・アントニヌスの五人である。
 特に今回読んだ24巻はトラヤヌスの巻であり、ローマ史上最大版図を達成した人物として覚えさせられたものだ。
 ローマの皇帝はホンマに色々な人がいるものだと、この人の本を読んでいてつくづく思うが、トラヤヌスという人は、大変謹厳実直な人のようだ。
 イタリア半島出身ではなく、属州出身としては初めての皇帝だった、からかどうかはわからないが、そういうことが影響したのか、頑張らなくっちゃ!という心の声を塩野さんは聞いたのか、「なんでそんなに頑張ったの? そうよね、属州出身の初めての皇帝だものね」というような投げかけをしておられる。
 自慢ったらしいことは言えないが、私も結構(無理すんなよ、と思いつつ)頑張り抜くきらいがあるので、この人の姿勢には共感するところがある。
 但し、トラヤヌスはなぜか男色で、女性を避けたらしい。(この点は私とは大いに違う)
 妻はいたようだが、子どもはおらず、そのため、皇位継承者には他人のハドリアヌスを選んだということだ。
 次のハドリアヌスも男色で、そのため子どもがおらず、そのため皇位継承におけるゴタゴタが起こらなかった、という妙な話である。
 そんなことで、次は「文庫の巻の25 ハドリアヌス」の巻である。
 次も楽しみだ。(ちょっと読書スピードがゆっくり過ぎるかな)

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園 善博氏の『本がどんどん読める本』

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1.書名   本がどんどん読める本
2.著者名  園 善博
3.出版社  講談社
4.読了日  H21.7.4
5.ポイント
 前に読んだポール・シーリーのフォト・リーディングの手法と極めて近い。
 やはり、目的を持つこと、全体を眺めること、質問を投げかけて著者と対話するようにして読むこと、パラパラめくること、などがスピード読書術の共通的なやり方なんだなと思った。
<読書の前提>
まず目的を持つこと
達成したときの状態をイメージすること
<読書の進め方>
(1) 目次を読んで何が書いてあるのか想像する。目次を書き出す。
    大見出しをまず、全部書き出す。(中見出しや小見出しのスペースを空けておく)
          次に中見出しを全部書き出す。(小見出しのスペースを空けておく)
                 次に小見出しを全部書き出す。
    ※極力、目次の丸写しではなく、本をめくりながら行う。
(2) プリペアードマインドをセットする。
① その本を読む目的を明確にする。
② どんな知識が学べるか想像する。
③ 本を読んで学習したことでどんな「ごほうび」が得られるか想像し、言葉で表す。
(3) プライミングを行う。
① 目的に関わりそうな単語を「ウォーリーを探せ」の感覚で探すようにざっと見る。
② パラパラ読みを行う。
(4) 複数の質問を設定する。(詳細把握の技法)
① その質問に関するキーワードを頼りに本を読んでいく。(ターゲットリーディング)
② 一つの質問が終わったら、次に二つ目の質問で同じことをしていく。以下同様。
(5) 答を得たら要点をメモしておく。
    メモの手順は、(1)のツリー構造と同じように書いていく。
(6) 読み終わったらメモを見ながらブリーフィングを行う。(内容の振り返り)
(参考)エビングハウス曲線を活用した効果的な学習のこと
  ベストな復習スケジュール:学習した翌日に1回目、1週間後に2回目、その2週間後に3回目、さらにその1ヵ月後に4回目と、2ヶ月かけて4回の復習をする。
  やり方は、ページをめくってポイントだけ読むとか、目次を見て記憶のあやふやな  ところだけ読み返すとか、要点メモをチェックするなど、簡単に。

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松岡正剛さんの『多読術』

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 本についての記録を久しぶりに書く。
 猛然と読書への意欲が沸いてきた。
 ここ数年なかった感覚だ。
 とにかく疲れていたから。
 それはさておき、松岡正剛氏の『多読術』を読んだ。

 松岡正剛氏は私が大学生の頃「遊」という雑誌を編集なさっており、何冊か私も購入して読んだものだ。
 値段が高かったので、貧乏学生にはなかなか毎月定期購入というわけにはいかなかったが、大変食欲がそそられる雑誌だった。
 前衛的というか、科学と宗教が渾然となっているというか・・・。
 私が今でも持っているのは「ジャポネスク」について特集された号だ。
 やや思想がかったような印象を受け、この人はちょっと危ない人ではなかろうか、と思っていた。
 従って、「遊」は読んだが、松岡氏に近しくなりたいとは思わなかった。
 その後の松岡氏の活躍ぶりは言うまでもない。
 某巨大通信会社と組んで出版された『情報の歴史』などは、私も購入した。
 素晴らしい大作だと思う。
 情報の意味を有機的に結び付けてみる、という実験的な試み。面白い。
 極めて真面目な常識人であり、読書人なのであろうと思う。
 今にして思えば、折角4年間も東京で遊んでいたのだから、一度ぐらい松岡氏のオフィスを訪ねて謦咳に触れてみても良かったかも知れない、とちょっと思う。
 さて『多読術』。
 松岡氏は、驚異的な読書量の持ち主であることは周知のとおりである。
 最近はやりの「速読術」をきっとこの人も心得ているのだろう、と思っていた。
 が、さにあらず。
 いや、たぶん、読むスピードは間違いなく常人には考えられないくらい早いのだと思うが、いわゆる速読術ではないらしい。
 夜中3時まで鉛筆と辞書と地図と年表を傍に置きながら、一生懸命に読んでおられるようだ。
 「いちばん心がけたことは、寝ないようにするということ」
 これがこの人の驚異的な読書量の基本であるようだ。
 「読書というもの、夜に根っこをのばすんです」
 なるほど。
 言いえて妙。
 今の私にはできないが、そのくらいの気合で本に立ち向かわないといかんということだというのがよくわかる。
 但し・・・
 「読書を神聖なものだとか、有意義なものだとか、特別なものだと思わないほうがいい。読書はもともと多様なものだ」
 とも言っておられる。
 極端な話、昔竹村健一氏が著書の中で「自分が寝っころがって本を読む。スタイルを気にしていて読めなければ意味がない。読むためには自分の好きな格好で読めば良い」というようなことを書いておられたが、それとまさに共通する。
 しかし、まあ、なかば自由人のような竹村氏と、万巻の書物を読んできた松岡正剛氏とが同じような見解を持っていたとは驚きだ。
 その他、気に入った箇所を一部抜粋。
 「本はすでにテキストが入っているノート」
 「(本は、書いたその人が)自分にプレゼンテーションしている」
 「本は、リスク、リスペクト(敬意)、リコメンデーション(おすすめ)の3R」
 その他その他。
 大変ユニークで参考になった。
 俄然、読書欲が沸いてきた。
 ちょうど先日注文した本6冊も、出張中に届いていた。
 さあ、明日から読書も生活の一部にしっかり加えていくぞ。
(肩の力を抜いて、でも片っ端から手当たり次第に)

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ドラッカーの遺言

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 魚津私立図書館で『ドラッカーの遺言』(講談社)という本を借りて読んでいる。
 中に「スーパー経営者は恥ずべき存在」という一節がある。
 お金持ちの代表とも言うべきJ.P.モルガンというモルガン財閥の創始者が「トップの人間が一般社員の20倍を超える給料を得るようであれば、それは誤った経営である」として、そういう会社にはモルガン氏は投資をしなかった、という話が紹介されている。
 スーパー経営者が得る高額な報酬ほど恥ずべきものはない、と断じている。
 最近のアメリカでのビッグスリーや金融機関の経営層の巨額ボーナス騒ぎを考えると、モルガンやドラッカーの警告が活かされていないと感じるとともに、巨大金融機関の祖であるモルガンがそういう発言をしていることが意外だった。
 ドラッカーはさらに、リーダーを待望してはいけない、リーダーの登場を恐れよ、カリスマは唾棄すべき存在だ、など、みんなもっと勉強して知識を蓄え、たゆまざる変化に対応していきなさい、そうすればリーダーなどに頼らず自分で判断できる、というようなことを書いておられる。
 また経営の本質とは「どんな長所を活かし、何をすることで、どれだけの成果を挙げるのか?」であると語っている。
 その他その他、まことに示唆に富む本である。
 世界一の見識だと思う。亡くなってしまったのは残念だが、この人の考えや提案からはまだまだ学ぶことは多い。

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