これまたひょんな出会いとなりました。昨日偶然書店で求めた呉智英さんと適菜収さんの対談本をめくっていたら、荘子の話が出て来ました。
曰く、外編と雑編派読まなくても良い。私も総感じていたので、我が意を得たり!とおもいつつ、さらに進むと大宗師編に、孔子のキャラをあてがわれた登場人物に「私は天の戮民である」と言わせているとのこと。そんな言葉知らなかったし、荘子は高校の頃から読んでいるものの全部を読み通したわけではなく、大宗師編も途中で止まっていたため、はっとして、そういう箇所があったのかと慌ててページをめくりました。

天の戮民とは、天から刑罰を受けた身であり、無為自然に生きたいけれどもそうはできず、世俗の内につながれている(不自由な身の上だ)と語らせているのです。世俗の内にしばられて生きるというのは、知識や礼節を大切にするという面倒があり、安らかには生きられないと吐露させています。
もうあと数ページのところで、このくだりに行き着いていたかと思うと自分の読書の要領の悪さを恥じるのですが、そこの手前で呉智英さんによる解説にたまたま出会えてから次に進めたというのは、なんともはや僥倖ではないかと感じ入ったひとときでした。
これ、書物のセレンディピティと言っても良いかも知れません。感謝。
