2019年1月13日(日)の日経新聞2面に、ファーストリティリングの柳井正さんのインタビュー記事が載っていました。
そこからの抜粋です。
インタビュアーの記者さんはアマゾン・エフェクトや大型買収による巨大化を促すような取材姿勢のように感じましたが、柳井さんはそれを脅威としつつ、また日本の政府も含めた社会全体の立ち遅れを問題視しつつ、自分の頭脳で考え自分でやっていくことが大事だと言っておられました。ごく当たり前のことですが、新しい外部の動きに踊らされていることの危険さを認識していかなければならないのではないかなと感じました。これは、先日林修さんが「できる」「できない」「好き」「好きではない」の四象限でやるべきことを考えた場合、「好き」というのは偶然であってたまたまその時代に生きているから「好きかも」と思い込んでいるだけで、あまり「好き」なことに執着せず、「できる」×「好きではない」ことの方が成功するかも知れないよ、と言っていたことと共通するような気がしました。
色々感銘を受けたくだりがありましたが、ここでは4つのコメントに絞って紹介します。
1.AIの導入を考える前に自分の頭脳を鍛えてほしい。「AIにはまねできない意味」を理解し、適切な質問ができる人間にならないと(AIを)使いこなせない。本庶佑先生の話した6つのCが重要になる。キュリオシティー(好奇心)、カレッジ(勇気)、チャレンジ(挑戦)、コンフィデンス(自信)、コンティニュー(継続)、コンセントレーション(集中力)だ。それと、教科書を信じるな、教科書以上の答えを出せ。
2.アマゾンはショッピングセンター型だから、そんなに良い商品は提供できない。AIだけで採寸して、材質やシルエット、好みをつかむことはできない。(自らネットショップを構築して取り組んでいるがゆえの洞察と感じました)
3.うちもお金を借りようと思ったら何兆円でも借りられる。それで(ZARAを運営する)インディテックスと米GAPでも買いますか。バンバン買ってそれで世界一。以上終わりと。それじゃ面白くないよね、自分でやるから面白いんだ。
この心意気、自信。そして、後継者(経営者)に求める当り前の条件。
4.(後継者の条件は)当然だが、能力を備え、みんなに支持される人。みんなで経営するのだから、その人の言うことだったら聞いていいという人でないと経営者にはなれない。能力があっても、気遣いがないとね。