知的好奇心を大いに刺激させられたIBMの方の講演

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 ITコーディネータ富山というNPO法人があり、過日、同NPO主催の勉強会に行ってきました。
 目的の一つは、自分の資格維持のためのポイント取得ですが、もう一つは「人工知能とIoTが切り拓く明るい未来と価値創造」という講演テーマに惹かれたことです。
 色々仕事をしている中で、「うちのこれはIoTです」と言われ、よく聞くとLANの中だけで工場内に終始する管理の仕組み話であり、ネットにはつながなかったりするとか、それほど多量でもないのに「ビッグデータを分析して・・・」など、ITとIoTとMtoMとビッグデータとAIの関係や違いが曖昧なまま言葉先行で流通しているような感じがします。
 それはそれで良いのかも知れませんが、機会があれば、ちゃんとそれらのサービスを提供している人のお話に触れようと思っています。

 ということで、今回のお話は、日本アイ・ビー・エム株式会社 マーケティング&コミュニケーション お客様プログラム 北信越地区部長のNさんという方のご講演でした。
 120分という長時間にわたってですが、久しぶりに知的好奇心を大いに刺激された良い内容の講演でした。
 ここでの「良い」とは、もちろん私にとってですが、何が良いって、話を聞いた後で、行動を起こさせるという点が最も大きなことです。
 影響を受けるというのは、行動を起こさせることほど大きなものはないのではないかと思います。(講演の後、色々調べまわったり、購買行動を起こしたりしました)
 ただし、アジテートとか、洗脳とかではありません。
 「これからの時代はこういうものが日常になっていく可能性があります。何ができるかを自分でも色々試しています。」と言って、ご自身が一年間育ててきたトヨタのKIROBOを持参して会話したり、自宅でスマートスピーカーを操作して電気やエアコンのスイッチを入れている様子をスマホで撮影して会場で上映されたり、それらの変化の背景になっている技術動向・政策動向などをふんだんに話していただいただけです。

 以前、NTT勤務時代に、LANの推進をしていたある人は、自費で、当時一台数十万円したルータを何台も買い込み、自宅でLANの構築をして様々な実験をし、その知見に基づいてNTTの後輩に教えるとともにお客様企業を訪問して技術面の解決策を提示するなど、ノウハウを惜しげもなく披露し、北陸地域のLANの普及に努めておられました。
 これはまさに信念を持ったエバンジェリストだと、その姿勢に感銘を受け、自分には何ができるだろうかと考え、パソコン通信に加入してフォーラムに入ったり日経テレコンに個人加盟して記事検索をしたりして仕事に活用していました。
 このように、他人に自発的行動を起こさせる人・話は、随分久しぶりでした。
 また、IBMというと個人的にはThinkPadを会社で使ったという程度しか接点がありませんでしたが、今回の講演でとても身近に感じることができました。

 さて、具体的な講演内容はここには書けませんが、私が書き留めたキーワードを後の控えとして列挙しておきます。

・スパコン 中国100ペタ、次はIBM200ペタ(20京)、後5倍でエクサスケール(エクサ=1000ペタ)となる
・未来投資戦略2018 5年で24兆円、Society5.0がこれからの産業政策の柱
・IT活用は2つの視点から (従来型)SoR(System of Record) (これから)SoE(System of Engagement)
・AirBnBやリフトはDigital Disruption(破壊的産業変革)・・・攪乱的?
・Frienemy=Friend+Enemy
・所有から経験へ
・IBMのWatsonはA4サイズの書類8億枚を1秒で読み取り理解する
・AI(アシスト係)とAGI(汎用型)の違い
・無料で使えるIBMクラウド Watson Assistant
・Qiita 技術者が様々な研究成果などを書き込むサイト
・AIはビッグデータがあって初めて有用なものとなる
・Watsonのリアルタイム翻訳機能
・顧客接点改革
・意思決定支援:経験則や学習のまだ少ない人向け
・20世紀フォックスはAIが映画「Morgan」の予告編(観る人の恐怖心をどの辺で煽るかなどを計算し)をわずか24時間で作った(通常は数カ月かかる) これは創造に近い もちろんデータやロジックやストーリーを人が与えるわけであり、その範囲内でしかできないものではあるが
・ロボット+Watson⇒マルチリンガル(多言語対応)、マルチロボット(仕事の引継ぎをロボット間で行う)、マルチタスク(複数の顧客対応を同時並行に行う)
・IoTの事例 セブン自動車保険 amazonダッシュのようなボタンを車につけ、何か事故があるとそのボタンを押す 即座に保険会社から電話がかる 何もなくても走行状態を常にクラウドに上げ、距離やスピードなどの記録をスマホで見ることもできる(もちろんドライバーたちのデータはクラウド上でビッグデータとして集められ分析され何らかの事業者に届けられ、マーケティングやサービス開発などに活用されている可能性はある)
・エッジコンピューティング ラトック 赤外線リモコンの操作 Alexaとの連動
・池上彰氏の『おとなの教養』リベラルアーツはAI時代になっても必要
・AI時代に求められるコンピテンシーは以下の3つ
 Creativity(創造性)
 Hospitality(コミュニケーション)
 Management(リーダーシップ/マネジメント)・・・つまり共感力と感動。

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