昨年暮れに出た複数の経済誌。
いずれも2018年の予測を特集していましたが、ダイヤモンド誌に少し異色の記事がありました。
広告企画で「息子・娘を入れたい会社2018」という特集で、広告なので大半は企業のPRなのですが、その冒頭に縫製大学院教授の坂本光司さんのインタビューが載っていました。
坂本さんは以下のように述べておられます。
・企業の真の目的・使命は、企業に関係する全ての人々の幸せの追求と実現です。
・全国の8000社を超える企業の現地調査をしてわかった、業績が安定的に高い企業は例外なく”人をとことん大切にする人間本位主義の経営”を行っていた。
・全ての人々とは、次の5種類の人々である。
①社員とその家族(これが最も大切にすべき人々)
②仕入先や協力企業等で働く社外社員とその家族
③現在の顧客と未来の顧客
④地域住民、とりわけ障がい者や高齢者等の社会的弱者
⑤出資者や関係機関
※出資者や関係機関の幸せは、前の4人の幸せを追求・実現した結果として実現する。社員及び社外社員第一主義を愚直に実践している企業こそ、結果的に高い株主満足度を達成している。
・持続する良い会社に共通する特徴は次の10項目。
①人を大切にする経営を実践している。
②価格競争ではなく非価格競争を実践している。
価格以外の付加価値で勝負できるサービス・商品を持っている。
③年輪経営を実践している。
自然の摂理に反する急拡大、急成長を目指していない。
④環境依存・環境追随型の経営をしていない。
環境が良くても悪くても、取引先からの要求に屈しない。そのためには、その企業でしか創造・提供できない価値のあるサービスや商品を持っていることが条件。
⑤バランスの良い経営を実践している。
一部の分野に特化せず、事業内容に偏りがない。
⑥ワンマン経営ではなく全員参加型経営を実践している。
社員のモチベーションを高める有力な方策の一つは計画作りへの参画である。
⑦閉鎖的ではなくガラス張り経営を実践している。
人事評価制度も透明性があり、頑張れば報われる制度が整っている。
⑧情報発信力の強い経営を実践している。
⑨人財の確保と育成に注力した経営を実践している。
好不況にかかわらず、新卒採用と人財教育に力を入れている。
企業のあるべき教育時間は、所定内労働時間の5%以上、月間でほぼ1日分の教育。金額でいえば、社員一人当たりの人財育成経費は年間10万円以上が望ましい。
⑩大家族的な経営を実践している。
行き過ぎた成果主義ではなく、ぬくもりのある企業風土を醸成している。
これら10の項目の中には、「1項目目」以外にも私もなるほどなあと思うものがいくつもあります。これはコンサルの仕事においても十分役に立つ情報だと思いますので、今後活用させていただきたいと思います。