先日も書きましたが、ご縁で富山国際大学という大学で「情報社会論」という科目を受け持たせていただきました。
平成27年度の後期と28年度の後期の2期、非常勤講師という立場での対応でした。
受講者は各年度約50名ずつ。
それぞれ15回の授業と期末試験の全16工程。
初年度は依頼をいただいてから開始まであまり時間がなく、前任の方の授業構成(シラバスっていうんだそうです)をなぞって取り組み、2回目の今回は前回のものを利活用しつつ最新の動向なども含め、構成を全体的に見直しました。
全15回のカリキュラムは次のとおりです。
第1回 オリエンテーション、情報社会論序論
第2回 人類の歴史と情報革命、コンピュータの登場
第3回 「情報システム」という考え方 ~OAからSISへ:企業情報システム、国家レベルの情報システム、EUCとパソコン~
第4回 情報と通信の融合的発展:ニューメディアからインターネットへ ~通信プロトコル、標準化、TCP/IP~
第5回 経済社会とIT その1 ~私たちの生活に直結しているIT、POS、カード、家庭や労働とIT~
第6回 経済社会とIT その2 ~IoT、ビッグデータ、知識労働者~
第7回 ネットワーク社会の光と影 その1 ユビキタスコンピューティング社会、Web2.0からWeb4.0へ~
第8回 ネットワーク社会の光と影 その2 ~監視社会、情報犯罪、情報セキュリティ~
第9回 メディアの変容、口コミとデマと流言飛語 ~瓦版からTwitterまで~
第10回 情報社会の倫理と情報リテラシー
第11回 情報社会を支える法、国の情報戦略、情報公開と情報保護
第12回 IT産業の発展と今日のIT業界における覇権争い ~Google、Apple、Amazon、Facebook、他~
第13回 諸外国のIT化動向
第14回 これからの情報社会を考えるためのキーテクノロジーズ ~電子商取引、電子マネー、クラウド、AIとロボット、そして人間はどこへ?~
第15回 まとめとふりかえり
作成したパワポの枚数は千枚以上。配布した分だけだと約600枚になります。
もしも次年度もあれば、これにまた最新情報を加えたり深堀すべきものを付加したり古いものを廃棄したりという更新をかけて臨むつもりでした。
が、次年度この授業は、本来の姿である大学の専任教員の方が対応されることになったので、私の役割は終了しました。
お話をいただいた時に相談した師(元・同大学の教授)から、「人に教えるテーマとは、実は自分が学ばなければならないことなのだよ」と言われ、豁然と理解させられた覚えがあります。
確かに、この2期間学生の皆さんに伝えるために、自分の中で一つの科目についての体系・骨格が形作られたような気がします。
もちろんこの分野はドッグイヤー、ラットイヤーなどと言われるように日々激しく変化し、主流になっていくもの・いつの間にか消えていくものなど目を見開いて世の中の動向を見ていなければならず、情報が体系化されたとしてもその瞬間から陳腐化していきますので、じきに使い物にはならなくなるネタも沢山あると思います。
ではありますが、昭和59年に電電公社に就職してから歩んできた自分の情報通信業界での社会人生活を振り返りつつ、最先端の情報社会の動向などを学んで90分一コマの授業を15回分に整理できたことは大変有意義な時間だったし、色々なことが体系的に整理できて、とても勉強になったことは間違いありません。
またNTTの研修センタで社内研修の講師をさせていただいた経験も、この大学の授業を行う上で大いに生かすことができました。
どこで何がどうつながるか、ほんとにわからないもので、私を育んでくれた会社、先輩・同僚・上司、この話を私に紹介して下さった中小企業診断士の大先輩、私でいいよと仰って下さった大学の教授の方々、などなど多くの人に感謝感謝です。
授業の日は大体晴れの日が多かったですが、最終日だけは雪が積もりました。
いい経験をさせていただき、本当にありがとうございました。