今日は日本交流分析協会北陸支部の年次大会が開かれました。
私は午前の部の特別講演に参加しました。
講師は小山田治子さんという方で「親子関係に活かす交流分析」というテーマの講演でした。
子どもの頃の親との関わりの中で、子どもは自分の生き方を(ほとんど無自覚で)決意するそうです。
それはいつでも変更できるのだけれど、大抵の人はそんなことには気づかず、どんどん自分が決めた生き方を「自分ではどうしようもない」「これが私の生きる道」として、良い点だけではなく、本当は改善した方がいいのだろうけどと自分が思う点もそのまま維持し、のみならずそれらをより強固なものにしていきます。
その結果、不幸な結末を迎える悲しい事件、悲惨な事件が発生しています。
よく「親の育て方が悪い」と言います。
交流分析では、そうは言っても、決意したのは幼児期の自分自身なので、自分の性格のくせに気づき、自分が直したいと思う点を少しずつ変えていくことはできる、ということを伝えてくれます。
確かに「親の育て方」が子どもの栄養(心身ともに)、健康状態、性格の元、社会との関わり方などに極めて重大な影響をもたらすのは間違いないと思われます。同じ親の元で育てられても、その接し方によって子どもの育ち方が変わるという報告もあります。(特に兄弟などの場合、上の子が出来が良く、下の子が上の子と比較されてひねくれてしまうなど)
親の影響は甚大です。
いじめや辛い出来事があってもそれにへこたれない強い心を持った人になって欲しい。
そのためには「お前は強くあれ」と厳しくしつけるのではなく、「お前は生きているべき人」「生まれてくれてありがとう」「無条件で愛しているよ」ということを親が全身全霊で示すことだ、と交流分析では説いています。
無条件に愛された子どもは心の強い人間に育つ。 私の知り合いの知り合いのお子さんで当校拒否となってしまい、時折自傷までしてしまう子がいます。
同じクラスの子からのいじめがそもそもの発端だと親御さんは仰っていました。
杉田峰康という交流分析の先生は「リストカットする子は本当は親をあやめたいという深層心理なんだよ」と語られたそうです。また、杉田先生の言葉かどうかわかりませんが「自傷する人は体を痛めることで心の痛みから一時的に逃れており、心の痛みの原因を取り除かない限り体を痛める行為からは抜けられない。自分の心の痛みの原因を探すためには心の勉強が必要」ということも講演の中で紹介されていました。
さてそのお子さんは上の兄弟がいて、そのお子さんよりも優秀だったようです。(あくまでこれまでの話ですが)
もしかすると、親御さんは知らぬ間に兄弟を比較して「お前はお兄ちゃんより劣る」という投げかけをしていたのかも知れません。
お兄ちゃんはその子にしょっちゅう強く当っていたそうです。
そういう家庭内での「無意識のちょっと冷たい対応」が積もり重なって、自傷や当校拒否に陥る事態を招いてしまっているのではないかという感じがします。
小山田治子さんの講演からはもっともっと多くの知恵、サジェスチョンをいただきましたが、長くなるのでこの辺にしておきます。
こういう学びを少しでも多くの若者、親になる人たち、既に親になっている人たち、ちょっと生きづらいかもと思っている人たちに伝えていきたいと考えています。私の仕事であるコンサルティングにおいては、企業内部の人間関係に活用していきますが、もっと早期に、できれば高校の必須科目にしてもいいくらいではなかろうかという希望を持っています。