桐野夏生さんの『ポリティコン』(上・下)

LinkedIn にシェア
Pocket

あるラジオ番組で桐野夏生さんのインタビューをやっていたのを聴いた。
この人の小説を読みたいなあという衝動に駆られた。
『東京島』は以前書店で立ち読みしたのだけれど、買うとなると何を読んでいいかわからず、とりあえず図書館に行き、『ポリティコン』という大きな本(上下2巻)を借りてきた。
中上健治さんの路地物語の要素と井上ひさしさんの吉里吉里人のローカリズムが合わさったような重っちい本だった。
この人の小説は(読む前の、色々な本のタイトルから来るイメージで)なんとなく最後が暗く終わってしまって、絶望感が残る後味の悪い読み物なのではなかろうか、という恐れを抱きながらチャレンジしたのだが、この本は、絶望の果てに一縷の望みがあり、前を向いて歩けそうな感じがしてほっとした。

LinkedIn にシェア
Pocket

萱野稔人さんほかの『金融緩和の罠』

LinkedIn にシェア
Pocket

この春からの金融緩和についての影響を学習中。
積極的に緩和せよ、という主張を推し進めた浜田宏一さんの著書は前に読んだので、次は批判的な説をと思い、集英社新書の『金融緩和の罠』。
誤解を恐れずに印象に残ったことを言えば、中央銀行が行う金融緩和は、政府の返済能力≒徴税能力を担保としてこれまでは行われてきており、今回の異次元緩和は裏づけのない金融緩和であり、危ないよ、という感じのことが書いてあった。
残念ながら、市場をびっくりさせる、市場と対話する、という現総裁のやり方の是非については論じてなかった。そこが少し残念。
次回はもう一度推進派の本も読んでみようと思う。

LinkedIn にシェア
Pocket