昨年のNHK大河ドラマ「平清盛」についての随想

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 NHKの大河ドラマについての投稿を何度かしたこともあってか、ある友人から「去年の大河ドラマはどうだった?」と聞かれた。
 視聴率が低かった原因として巷間言われていることの説明をしたが、ではなぜ自分は見続けているのか(まだ最後の4、5回分は録画状態で見ていない)、どこが良かったのかというと、確かに「良かった」理由は思いつかなかった。単純に平清盛が好きだということが一番の理由だが、松山ケンイチという期待の若手俳優が大役にチャレンジしたことへの敬意、私が一番最初に見た大河ドラマが新平家物語(仲代達也さん主演)であり、追体験を求める気持ちなどもあったのかも知れない。
 で、このドラマは一体なんだったのか、という問いをあらためて自分に問いかけてみると、どうやら伊藤四郎さん演じた白河上皇の皇胤との噂のある清盛が、この世の頂に立った後は、結局改革ではなく白河上皇と同じようにわがまま放題・好き勝手なことをしてしまう「人間のさが」を表現したかったのかな、という点と、晩年の清盛のマネジメントは大失敗(武士の世を作ると言いながら、平家の世にしてしまい、世の反感を買ってしまった)であったということを言いたかったのかな、という気がする。
 なにせ長男を憤死・悶死させ、奥さんは孫を抱いて海に飛び込んで自殺せざるを得ない状態に追い込んでしまったのだから、これほどの家族経営ミスはない。なにが大政治家か、と思うのだが、それでも彼の若き日の高邁な理想、日本列島大改造計画、宋との貿易で国を富ませ民を豊かにという熱き思い、そしてそれに向けたまっしぐらな行動があったがために、制度疲労の貴族政治に巨大な風穴を開け、新しい世を切り拓くことにつながったのであり、その功績は日本史に大きく刻まれるのは間違いないと思う。
 「おごる平氏」と言われる。本当かな?と思う。テレビでは宗盛あたりが仕事もせずに昼まっから酒をかっくらい、源頼政の長男の馬を横取りするなどの悪行狼藉の姿が描かれていた。清盛も本能の赴くままに目をつけた女性を(こちらも昼まっから)閨に連れ込んだりしている。負けて滅んだ者には抗弁のしようがない。どこまでが本当でどこからが勝者による脚色かわからない。
 何がしかの事実はあったのだろう。しかし全てを鵜呑みにはできないという批評眼は持っておきたい。彼が本当に「武士の世」を作りたかったのなら、頼朝や義経を任用して武士の挙党一致体制を組めば(源頼政だけ昇進させるのではなく)、平家があんなにあっけなく滅びることもなかったかも知れない。(その点家康は巧妙だよなあ・・・。)しかしそれは歴史のイフであり、繰言はやめましょう。
 ということで、残りの数話を見つつ、八重桜ちゃんも平行して見ていこうと思います。

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川原慎也さんの『これだけ!PDCA』

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 中小企業診断士として自身のバージョンアップを怠ってはならない。今回は経営改善に関する本を一つ。
 川原慎也さんという方の書かれた『これだけ!PDCA』。
 PDCAを阻害している要因とは何ぞや。
 この本では、計画を作る時期に問題ありとの指摘。
 ・決算1~2ヶ月前のバタバタしている時期に作るから、おざなりになり、みんなの同意や認識共有も図れないので、心の入った計画(P)になりにくい。
 ・最近の(私もとみに思うことだが)成果主義が邪魔をしている。つまり自分の手柄にならない、例えば人の育成とか、長期的な種蒔とかを避け、目標は手の届く低いものにしてしまう。
 ちなみに私も以前人様のマネジメントに携わった時期があったが、明らかに手の届くレベルの目標を設定しクリアした人にはそこそこの評価しかしなかったし、他のメンバーの支援をしみんなから感謝をされたり成長を促すことに寄与した人(自分の仕事もこなしつつ、ではあるが)には相当高い評価をし、そのとおりの二次評価ももらってきた。それによってチームの団結力が強くなり、お互いをフォローしあって全体として強い組織作りができたという自負がある。
 その他
・目的と目標と計画の関係
・5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)を徹底している会社は強い
・計画は忙しい日常業務があることを前提に作らなくては破綻する
・解決策立案に当たってはプロセスを細かく(実行可能なレベルまで)落とし込んで立てるといい
などなど、わかりやすく、示唆に富んだ本だった。

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