著者は中村亨という方で、どうやら富山県出身らしい。
私より随分若いのだが、とてもわかりやすい本である。
職場の先輩から、決算書の分析、資料作りはこんなふうにやって欲しい、ついては是非一読を、とのお薦めを受けてアマゾンで購入して読んだ。
とても読みやすく、わかりやすい本だ。
詳細な分析を好む人にとってはかなり物足りないかも知れないが、細かなところばかり見すぎて、「森」が見えなくなってきたあたりの私にとっては新鮮で良かった。
物事はまずは大掴みから入る、という原則が大切である。
PL(損益計算書)は、粗莉、営業利益、経常利益、これらを経年比較、同業種他社比較をして、特徴を掴み、そこから気になる大きな数字を深堀する。
情報技術の世界でいう「ドリルダウン」である。
BS(貸借対照表)は純資産、固定負債、流動負債と流動資産、固定資産をブロック(固まり)としてイメージし、返済がしやすい資産状況かどうかを判断する。
但し、資産の中には不良資産が混じっていることがあるので、棚卸資産の信憑性、貸付金の回収可能性や投資資産の本当の資産価値など、大きな数字などはしっかり中身を把握して実態を掴む必要がある。
CF(キャッシュフロー)は、営業CF、投資CF、財務CFの順に見ていく。
営業:+、投資:-、財務:-、という感じがいいのだが、企業の成長段階で必ずしもそうでなければならないということはなく、対象企業が、いわゆるライフサイクル上のどこに位置するかを考えながら、CFを見る、という視点が大切。
そんな基本を再認識させてくれる良書であった。
決算書分析の入門書『 「俯瞰」でわかる決算書』
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