- kazuto_nakajin
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JRの駅からの帰路、鈴虫の羽音がそこかしこで鳴っている。空気が少し涼しくなっていることもあり、軽やかな鳴き声で小気味いい。帰宅。家の中にいても時折鈴虫の声。2週間ほど前はセミやらキリギリスやらと混ざって誰が鳴いているのかよくわからなかったが、今や鈴虫の天下。ここは天然の鈴虫寺だ。
09-29 21:21
月別アーカイブ: 2011年9月
久しぶりの研修講師めいたこと
昨日、久しぶりに研修の講師めいたことをやらせていただいた。
準備10時間、実施1時間半。
短い時間の講義だったが、やはり準備には10倍の時間がかかる。
ベース資料の選定、目的と到達目標とコンセプト作り。
そして教材作り(ワープロ打ち)、理解度テスト作り、補足資料の選定、レッスンプランの構想、シャドウイング・・・とやることは沢山ある。
最後は当日のコンディショニング。
う~ん。当日は最後まで声が続かず受講者には迷惑かけたかも知れない。
日頃腹からしっかり声を出す鍛錬をしていないと、いざ急に喋る専門の時間を与えられてもうまくいかない。
やはり日頃の鍛錬が必要だ。
しかしこうして一つずつ課題がこなせていくのは気分がいい。
と安堵の間もなく新たな課題が覆い被さってくる。それはそれでまた対応していかなくてはならない。
どこかの会社の社歌ではないが、日々新たに、である。
さ、明日も頑張ろう。
塩野七生さんの『ローマ人の物語25(文庫)』
随分長いこと離れていた『ローマ人の物語』久しぶりに通勤の帰り電車の中でひもとき始めた。
今回は<No.25 賢帝の世紀(中)>である。
今回の主人公は、ハドリアヌス帝。
ハドリアヌスといえば、ローマ帝国で最大の版図を支配した皇帝ということで、確か世界史で習ったような気がする。いや、最大版図はその前のトラヤヌス帝の時であったろうか。
五賢帝という言葉もよく耳にする。
何がどう賢帝なのかわからなかったが、アウグストゥスのような哲人政治家がいたり、狂気の皇帝がいたり、はたまた周辺各国の反乱と戦ったりした動乱の百年を経て、安定かつ異国人を沢山抱えての治世において、駐留軍のモチベーションアップや法体系の整備など色々な仕組みをアップデイトした人たちだったようである。
それにしても塩野さんはカエサル好きである。
カエサルが亡くなってすでに100年も経っているにもかかわらず、いまだにカエサルの話題が出てくる。
やれカエサルが作った制度が今も生きている、カエサルが作った町が活気だ、カエサルの創設した軍の仕組みがしっかり機能しているetc.
しかもハドリアヌスがカエサルと似ているとまで。
その演説のうまさ、発想の独創性などなど。
かえすがえすもカエサルが好きなのだろうと思う。
そういえば、塩野さんはマキャベリも大好きなようだ。
現実をしっかり見つめ、やるべきことを鉄の意志を持ってやり抜く人が好きなのだろう。
しかもそのやるべきことは、個人の好き勝手、ではなく、歴史の必然としてやらなければならないこと、なのであって、我儘を決して許しはしない。
私は、毅然とした塩野さんの文章が好きだ。
さ、次は<賢帝の世紀(下)>に入る。