運転免許の更新に行った。
帰り、旧国道8号線を走っていたら、「白鳥の里」という看板が目に入った。
そう言えば・・・妻が何か言っていたような気がする、と思い、思わずそちらにハンドルを切った。
国道を左、海の方にそれて数百メートル。
走っていくと車が何台か農道沿いに停まっている。
望遠レンズのようなものを持った人々がいる。
田んぼの一角だけがやけに白い。
白鳥の群れだ。
一枚の田んぼの中、一面に白鳥が泳いでいる。
いやあ、風物詩というのかなんというのか、大変なものである。
その数、ざっと200羽以上。
ふと目を転じると、白鳥だけではなく、カモも混じっている。
共存共栄というのか、他人はかまわないということなのかわからないが、傍目には仲良く混じっている。
富山にこんなスポットがあろうとは。
逆方向に回ると、バックに雄大な剣岳をはじめとする立山連峰が。
その立山連峰を背景に、次から次へと白鳥たちが2羽、また3羽と飛び立つ。
その姿がまたすがすがしい。
こんなところで『ブラックスワン』のことを思い出す私はなんと風情のない人間か、と思うが、たまに黒っぽい白鳥が混じっているので、しょうがない。
というわけで、騒いだり構ったり過度に近づいたりせずに、彼らが過ごしやすいように遠巻きに眺めましょう。
日別アーカイブ: 2010年2月14日
父の病状そのx
父が死地から帰ってきた。
先日酸素マスクが取れ、次いで点滴がはずされた。
38度から39度台の高熱が3~4週間も続き、糖尿病が悪化して肺炎を併発し、挙句の果てには心拍数が30まで落ちてもうだめかも・・・と言っていたのが嘘のようだ。
昨日医師から胃瘻(いろう)について説明を受け、実施してもらうことにした。
胃に穴を空け、そこから栄養分を入れるための手術である。
口からものを食べることができない現状からすれば、カロリーを得るため、鼻から胃までのパイプをつけたままで行くか、時々肩口から太い血管に直接注射を打つか、といった方法があるようだが、現時点では胃に穴を空けるのが一番いいようだ。
父がわかるかわからないかは不明だが、一応話しをした。
「医者にまかせる」というようなことをモゴモゴと言っていたので、わかったのかも知れない。
良いに悪いはつきもので、意識が戻ってくると、自分の置かれている状態の悪さにも気がつくようだ。
今日、母に言った言葉。
「オレはこれからどうやって生きていったらいいのか」
・・・確かに。
歩けるわけではない。半身不随。
言葉も明瞭には発せられない。
口からものを食べることができない。
そんな状態では「どうやって生きていったらいいのか」と言いたくもなる。
「いっそ死にたい・・・」
懸命に看病してここまで立ち直ったかと思ったらそんなセリフを。
母の苦い気持ちが伝わってくる。
折角拾った命を、と思うのだが、本人がそう思うのは仕方がない。
我々としては、残された脳の機能で潰れた部分の機能が少しでも補われ、何か一つでも機能が改善されるよう祈るしかない。
本人には自分の力を信じてリハビリに取り組んでもらいたい。
希望を捨てないことだ。