久しぶりに、御廟真国寺を訪れた。
ご住職から、今日も沢山の智恵と気づきをいただいた。
以下、書く。
ほどく。
しがみつかないこと。
ときはなつこと。が大事。
来来亭というラーメン店をフランチャイズ展開している経営者の話。
彼はまだ30代の若さだが、2億円以上の豪邸に住み、6200万円のポルシェに乗っているという。
フランチャイズの店長は、もちろん店の味をきちんと再現できるかとかいった技術的な完成度は必要であるが、それに加えて人柄も大変重視するそうだ。
成功の秘訣を聞かれ、「鶏がら、豚がら、人がら」と答えているらしい。
そして、店長たちは、何年かして自分で経営できそうだと認知されたら、独立し、オーナーの配下から完全に離れるのだそうだ。
通常、のれん代みたいなものをいつまでも払わなければならないのがこういう仕組みにつきものだが、このオーナーは拘泥しない。
まさに「ほどく」なのだそうだ。
そしてまた、だからこそ、また人が集まるし、独立した人たちもいつまでも慕ってくるという。
日本にはエリートが必要。
エリートとは、一つのことに徹底してこだわり、それをずっとやり続けている人のことである。
(『国家の品格』藤原正彦氏)
灘高校の橋本武先生(80歳を超えてなお現役の国語教師)という方。
中勘助の『銀の匙』という小説(文庫本で200ページほど)を高校三年間かけて始終脱線しまくりで教える。
その授業が始まってから6年後、普通の高校だった灘高校から東大に100人以上進学させる超優秀高校に変わったという。
原因は、小説の中の一つひとつの物事の意味や背景を、徹底して深堀する授業のおかげで、生徒たちの学習姿勢にも、深堀することが身についたおかげだ、というようなことらしい。
私の高校の時の現代国語の指導者も、よく脱線し、またテキストの中の、作家が真に言いたいことは何か、深く考えるような進め方をして下さった。おかげで「読む」ということについて、深く考えおもんぱかることが身についたような気がする。
A祖父先生、ありがとうございました。
薪ストーブの話題に2時間ついてこれるか。
ある会社の営業担当者がご住職の元を訪れた。
就職する前から知っていたという強みがあったようだ。
しかし用件は今の会社の商品の売り込み。
ノルマもある。
ご住職から聞かされた話は、営業担当者の用件に関することではなく、薪ストーブの話だった。
どれだけついてこれるかな、というのがご住職の謎かけだった。
20分後、営業担当者は「次のアポがありますので」と言って退出してしまった。
人格的にも学力的にもいい青年らしいのだが、やはり会社に属し、その会社の尻叩きの中で日々過ごしていると、お客様の関心事よりも自分のノルマのことにしか意識がなく、結果、ビジネスが前に進まない。
ポルシェの営業研修は、俳句から始まるらしい。
お客様はポルシェに夢を持っている。
だから営業担当者は、お客様の人生や夢やサクセスストーリーといったものに焦点を合わせ、それを分かち合えるような素養を持っていなければならない。
だから、マーケティング技術ではなく、人格、教養を磨くのである。
元上司の本の整理の話。
まだ具体化しているわけではないが、もしもご家族のご意向として、私に処理を委ねられるということになった場合、私物化はしない方がいいよ、と助言して下さった。
自分でもそう思う。
5000冊の本を、読みこなせるわけでもないし、置く場所もない。だからと言って簡単に売却すべきではないし、さあ、どこか公のしっかり管理してくれそうなところへ寄贈なりするか。
私のできることは、せいぜい、分類ぐらいのものではなかろうか・・・。
前田家のこと。
前田家12代のお墓の案内図が境内にある。
見ていてびっくりした。
「菅原朝臣利次」などと、どのお殿様の名前にも「菅原朝臣」と書いてある。
あれ?前田の殿様の墓はどれだ?と思って見ても、「菅原」以外はない。
しかも名前は「利次」やら「正甫」やら、聞いたことのある「前田家」の名前ばかりだ。
戦国の武将によくある「源朝臣・・・」というようなものと同じで、「前田」という苗字ではあるのだが、朝廷に仕える立場ということで、源平藤橘めいた苗字を頭につけるならわしなのだろう。
しかしどうして「源」でもなく「平」でもなく「藤原」でもない「菅原」なんだろうか。
答えは、意外とあっさり出てくるのだろうけど、初めて知る事実に、脳が最高にエキサイトしている。
つらつら書いたが、久しぶりに真国寺を訪れて、良い時間を過ごすことができ幸せだ。
今日の気づき(真国寺訪問にて)
返信