セレンディピティについてちゃんと書く

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 幸福の女神に後ろ髪はない、という。
 セレンディピティという言葉を最近目にするが、それも似たようなことかも知れない。
 勝間和代さんの本にセレンディピティ(Serendipity)という耳慣れない言葉が書いてあった。
(『勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力』ディスカバー・トゥエンティワン刊)
 偶然力とか偶発力とかいう意味らしい。
 もう少し詳しく言うと、偶然の中でチャンスを発見する能力、らしい。
 あてにしていないものを偶然うまく発見する能力、というような受身的な捉え方もあるようだ。
 このセレンディピティについては、ここ1年ほど、そういう偶然にいくつも出会い、うまい具合にキャッチできているのではないかなと思う。
 具体例を一つ。
 ある会合にプロの司会者をお願いすることになった。
 任意の集まりであり、しっかりとした予算があるわけでもない。
 そこで、ツテを頼って、プロのアナウンサーの方を紹介してもらった。
 ご本人のプロフィールを送ってもらった。写真入りだ。
 しかしながらご本人とはすぐに会うわけにもいかない。
 会合本番まではまだ4ヶ月もあるからだ。
 まあのんびりやっていこうと思っていた矢先。
 紹介を受けてから1~2週間経っていただろうか、たまたま出席した大学のOB会(卒業してから初めての出席なので、20数年ぶり)で、司会進行をしていた女性がいた。
 私の席は巨大な広間の最後部のため、司会者がどこで何を喋っていても、外国のような感覚だったのだが、ふと遠目に見える顔になんとなくピピッとくるものがあった。
 名前が思い出せない。
 会場の係の人に、今日の司会者はどなたでしたっけ?と聞いてしまった。
 係の人曰く「なんのたろべえ」さんです。
 あ、そっか、友人に紹介してもらったアナウンサーの人だ!
 それで終われば「ただの偶然」。
 そこからがセレンディピティの真骨頂の発揮である。
 合間を見て、司会席のその方のところまで行って、自己紹介をした。
 友人から聞いておられるかも知れないが、今度あなたに司会をお願いしたいと思っている××と申します。
 あ、聞いてます。
 いやあ、お仕事中にすみません、云々。
 というわけで、直接名刺交換をさせていただいた。
 その場は先方は仕事中、こちらは酒飲み中であり、我々の司会の打合せをするような段では当然ないわけで、またの打合せを約してすぐに下がった。
 しかしその偶然の出会いがあったおかげで、その次の打合せの段取りも、打合せ自体も大変スムーズに行った。
 こういうような偶然がこの1年、いくつかあった。
 偶然を偶然として何にもアクションを起こさなければそれだけのこと。
 いや、アクションを起こしたことでトラブルが発生することもあるだろう。
 しかし、誠実にその偶然に相対し、いくつかのことを心がけておれば、自らのアクションに対し、天も味方してくれるのではないか。と、そんな気がする。
 先ほどの勝間さんの本からの引用。
「予期せぬ出来事はどうしても起こる。起きたことを常に最大限活用しよう。
 偶然力を生かすために何をすればいいか。
 一つは好奇心を発揮すること。
 つねに機会を見つけて、新しいどんなことがここで学べるのか、できるのかと、ワクワクしながら周りを、機会を模索すること。
 二つめが持続性。(あまり深刻に考えず)適当でもいいや、続くものが一つでも残ればいいやと呑気にかまえつつ、でもめげずに続けること。
 三つめが楽観性。できる可能性があるのであれば、実現可能なこととして、実現するにはどうしたらいいかを考え抜くこと。
 四つめは柔軟性。言ったことが変わっても良い。新しい材料が手に入ったら、概念、態度、行動が変わってしかるべき。
 五つめはリスクテイキング。リスクをとって果敢にチャレンジすること。迷ったときはリスクをとる方向で考える、そのように動くとものごとがうまく進む。」
 星野仙一も言っている。「迷ったときは前へ進め」と。
 ただし、偶然のチャンスというのは、それに気づくかどうかという本人の神経の問題がある。
 日頃、どれだけ準備をし、期待をし、周囲に目配りをしているか。キョロキョロ落ち着きなくあたりを気にしている、ということではなく、どっしり構えつつも、神経を集中して注意を怠らないというような態度である。
 再び引用。
「偶然のチャンスというのは十分準備をした中で初めて出てきて、そこで偶然に「ああ、こういうことなのか」と、答が向こうからやってくる」
 ということで、偶然のチャンスを生かすための三つの基本テクニックと四つの実践方法。
「三つの基本テクニック。①偶然のチャンスを生かす、②与えられた情報の中からつながりを見つける、③無理に格好をつけない。
四つの実践方法。①良いチャンク(知識やアイディアなど)を集める、②つねに観察し続ける、③なるべく魅力的な人々に会う、④つねに周りをポジティブな視点で見る。」
 書き出したらきりがないが、ユングが述べていることもそういうことかも知れない。
 世界中の無意識が、実は深層心理の底でつながっている、というようなことである。
 強く願っていたら、助けが向こうからやってくる、というような話もある。
 オカルティックな話は好まないが、いずれにしろ、偶然ということはあるものであり、先日講演を聞いた成岡秀夫氏も「たまたま」の出会いをちゃんと生かすことが事業の成功にもつながるというような話をされていた。私の周りの事業家も「たまたま」「偶然」のチャンスをものにして成功を収めている人が何人もいらっしゃる。
 偶然を大切に。そのために日頃から夢を持ち、夢に向かって努めることだ。
 天は自ら助くるものを助く。
 セレンディピティ。

 セレンディピティに関する参考図書をもう一つ。
 水野俊哉著『成功本51冊 もっと勝ち抜け案内』(光文社)(この本を読もうという人は、オカルトと現実の区分をちゃんとできる人であることが条件です。誰にでもお薦めできる安易な成功本ではありません。取り扱い要注意です。)

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昔の仲間との飲み会

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 わけあって、前の職場の後任の人と会うことになった。
 ところが、ちょっとしたトラブルのために当の本人は来られず、その人の上司(私の元上司でもある)と、代わりに会うことになった。
 今日はその人々の職場の新年会で、私が会う予定の時間はもう終わり頃だったので、解散して元上司と、あと一人二人がいるかな、と思いつつ行ったところが、ほとんどの人が残っていて、まあ宴たけなわ状態ではあったが、元の職場の飲み会に乱入するような形になった。
 ありがたいことに、皆さん暖かく迎えて下さった。
 あやうく締めの挨拶までするところだった。(さすがに、外部の者だから、と丁重にお断りしたが)
 皆、明るく、思いやりのある人々で、ギスギスしたところはない。(と感じた)
 確かに、通信事業というのは、通常の民間企業と異なり、景気の影響を受けにくい。従って、世間の常識とは少しずれる必然性を持っている。
 それは業種の特性なので、やむをえないと思う。越えられない壁だし無理して越えるのもおかしい。無理して世間と歩調を合わせても、どこかで無理が見えるだろう。
 そこに属する人々は、そういう環境の中で、人や世間と交わり、その中で目標をしっかり持ち、自己実現に向け、自分をブラッシュアップしていってもらえればいいと思う。
 久しぶりに昔の仲間や上司と酒を酌み交わすことができ、ありがたいひとときだった。
(後任のIさんには悪いが)

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