昔、松原みきという歌手がいた。
アメリカ軍のキャンプなどで歌っていたのを世良譲というジャズピアニストが発見し、メジャーデビューしたということだったと思う。
デビュー曲は「真夜中のドア」。
当時私は大学1年だったか、2年だったか。
最大のヒットは「ニートな午後3時」という曲かも知れない。
資生堂の口紅か何かのCMソングに起用され、街頭でもよく流れていたものだ。
大学4年の春に、当時在学していた中央大学の学祭にお越しになり、受験勉強そっちのけで歌を聴きに行った覚えがある。屋外ステージで1時間も歌ってくれたろうか。実物も素敵な歌手だった。
それから幾星霜が流れ、テレビで昔のヒット歌手などが出て最近のヒット曲を歌う番組があり、杏里や麻倉未稀などが出ており、ほぼ同じ時期に「三人娘」ではないがそれぞれ結構売れていたという記憶があるので、そろそろ次は松原みきさんが出るかなと心待ちにして毎週見ていたことがあったが、私の知る限りではついに出場されることはなかった。
今年になって、もう4年も前に亡くなっていたことを知り、愕然としたものだが、10月7日の命日を前に、最近YouTubeでも松原みきさんの映像(http://www.youtube.com/watch?v=O9LFEgd04Jk&feature=related)を投稿されている人があり、それに対するお礼の投稿や「初めて聞いたけど上手だ」といった書き込みなども沢山あり、数十年前の歌手で、しかも杏里などと違って際立ったビッグヒットもなかったが、自分と同じように今でもファンだという人が沢山いることに、また驚いている。
最も活躍しておられた1980年代は、レンタルレコードを聞くのがせいぜいであったが、当時は全部のレコードを聞いた覚えがある。
彼女の歌は、今聞いても全然新鮮で今風で、妻なども「少しも古くないね」と言う。
これからもずっと元気で活躍してあのグルーヴィーでスインギーな歌声を聞かせ続けて欲しいが、それは叶わぬ夢だ。
作詞者、作曲者たちのセンスの良さ、松原みき自身の歌唱力、どれも時代を超えて生きているし、これからも私の記憶には残していきたいと思う。
(アマゾンで検索したら驚いた、復刻版か何かわからないが、十数種類出ていた。どれもいいアルバムばかりだが、一つ紹介)
松原みきさんのことについて
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