フロイト先生の『トーテムとタブー』

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さすがに難しくて歯が立ちませんでした。
2026年1月10日のブログで「ところが、ここではどうも決定的なことが書いてはなく、どうやら『トーテムとタブー』という別の論考で、父親殺しの理論が確立されているということを、「図書1月号」で知りました。どうも『ドストエフスキーと父親殺し』は難しいわりに中途半端な印象だったのは、これはエッセイのようなものだったのかも知れません。
ということで、次のテーマは『トーテムとタブー』を探せ、ということになりそうです。」という風に書いてから、地元の図書館に行ってその本がないか尋ねたところ、県内の別の図書館にあるということで、そこから取り寄せていただき、その「理論が確立されている」というのを紐解いてみようとチャレンジしました。

そもそも「トーテム」という言葉がわかりません。私は子どもの頃にどういういきさつだったか忘れましたが、トーテムポールという、色んな人の顔を戯画化して木に彫りつけたもの?顔の彫刻の積み重ね?みたいなものが教科書か何かに載っていて、トーテムと聞くとそれを思い出してしまうのですが、どうもそれではない。
調べると、「トーテミズムは、人間の集団と特定の動植物・自然物とのあいだに「特別な関係」があると信じ、その存在を祖先・守護存在・象徴として崇拝する信仰および制度を指します。」
ん?トーテムというのは部族のこと?と思い、次の質問をすると、「トーテミズムが繋ぐ「クラン」と「インセスト禁止」のロジックこれらが組み合わさることで、「外婚制(がいこんせい)」という仕組みが生まれます。分かち書き: 「私は『カラス』のクランだ。あいつは『オオカミ』のクランだ」とトーテムで区別する。インセストの回避: 「同じ『カラス』同士で結婚するのはインセストだからダメだ」と禁じる。社会の拡大: 結婚相手を求めて、他のクラン(オオカミやヘビ)と交渉し、同盟を結ぶ。まとめると…
トーテミズムは、「誰が身内で、誰が結婚相手としてOKか」を視覚的に判別するラベルの役割を果たしていました。これにより、集団内の混乱(近親相姦)を防ぎ、他の集団との平和的な結びつきを促進したのです。」という回答が返ってきて、どんどん難しくなってしまいました。

この本の182ページに以下の記述があります。
「兄弟たちが共謀して、父を殴り殺し食べ尽くし、そうしてこの父の群族に終焉をもたらした。彼らは一致団結して、個々人には不可能であったことを成し遂げたのである。」
これが、カラマーゾフの四兄弟が、父を殺したのは恐らくあの人だという含みを持たせつつ、実は四兄弟全員にその動機や願望があり、四兄弟全員が自分が「心理学的には有罪である」(『ドストエフスキーと父親殺し』p264)とフロイト先生が書いていることの背景となる理論になっているようです。
この本は1912年に書かれたということなので、ドストエフスキーが『カラマーゾフの兄弟』を書いた1880年から30年あまり後に書かれたものだということになりますので、『トーテムとタブー』を書いた時点で十分カラマーゾフの兄弟を読んで研究する時間はあった可能性があり、それも材料の一部として理論だてられたものであることも考えられます。わかりませんけど。
さらにこの本の解説(解題)部分になりますが、358ページには「原始部族と原父の殺害に関するフロイトの仮説が含まれており、後のほとんどすべての社会的文化的制度の起源はそこに由来するとの理論が展開されている。」とあり、この『トーテムとタブー』に書かれていることが、かなりフロイト先生の中心的な理論の柱になっているようです。いやあ、知りませんでした。しかしとても難しいので、これ以上追求していくのはやめておきます。

なお、フロイト先生の「父殺し理論」とドストエフスキーとの関連(小説のこと、本人自身の罪の意識)などなどの追求はもうやめますが、トーマス・マンが『ブッデンブローク家の人々』の中で父が熱心に読んだという「ショーペンハウアー」についてはもう少し深ぼってみたい気がしています。

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フロイト先生の『トーテムとタブー』」への2件のフィードバック

  1. 本も難しければ、コメントもなかなか難解でした。最近ブログの更新が多くて嬉しいです。明日はよろしくお願いします。

    • 浜田様
      ありがとうございます。
      知らない領域に入っていくと変に深みにはまってしまって自分でも何を書いているのかだんだんわからなくなっています。
      人様に読ませられる体になっておらず申し訳ありません。
      明日はまたよろしくお願い致します。

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