昨春から約1年に亘って、ある企業の目標管理制度導入のご支援をしてきました。今年の初めに予定の工程を終え、一旦けじめをつけたのですが、経営者の方から社員の様子に変化が見られるのでもう少し継続したいとのお声がけをいただき、第2ステージのご支援を行うことになりました。
以前コーセル株式会社相談役の町野利道さんのご講演を聞いた際、同社では目標管理制度を導入して定着するまでに10年かかったと仰っており、さもありなんと感じていました。
自分ではない部下の社員の人たちが、その行動を自発的・内発的に変えていけるようになるなんて、そんなに簡単なものではないと思います。
まずは仕組や形を整え、いつまでにこれをして下さいという指示をして、しかもやったことによってプラスのリターンが返ってくることの繰り返しがあって初めてその人の習慣になっていくのではないかと思います。もちろんそれは部下をおだて上げることを意味しているのではなく、叱咤激励など言われた時は当人にとってイヤなことも含めてのリターンですが。
この企業の場合、去年は導入編でした。初めは幹部の方々と一緒にやり方を考え、部下面談などの場に同席し、どんな風に話をしたら良い動機づけができるかなど試行錯誤しながら取り組んできました。
人によっては達成度合いが後から測れないようなあいまいな目標を設定しているケースもあり、何度も話し合いをして書き直しをしてもらったりもしました。
毎月色々な話をしていく中で、会社として解決すべき色々な課題が浮き彫りになっていきました。それらの課題を現場レベルではどう対応していくべきかといった話し合いも行われ、見える化の提案などもさせていただきました。
昨日数ヶ月ぶりに幹部の方々と打合せを行い、合わせて部下面談の場にも同席させていただきました。
以前はお互いそれほど言葉数が多くなかったのに・・・今回は上司も部下も活発に意見交換をしておられました。「こうしたらもっと良くなるのではないか」といった前向きな発言も飛び交っていました。
この企業は変わってきている、そう感じました。もちろん変化は人によってまちまちです。全く変わったように見えない人もおられると思います。しかしこの企業では、旗振り役のNo.2が「変化していこう」ということを日頃一人ひとりの従業員に語りかけています。その効果がしっかり現れてきているものと思います。
及ばずながら、第2ステージのお手伝いをさせていただける喜びを感じています。ありがとうございます。