以前映画で「インビジブル」というのを観ました。主演はケヴィン・ベーコン。
透明人間と言えばウルトラQだったかウルトラマンだったか円谷プロの作品でも観たことがあったような気がします。あまり悪い印象ではなかったのですが、この「インビジブル」はかなりエグイ映画でした。
そもそもはH.G.ウエルズのSF小説が原作らしいのですが、たまたまこのH.F.セイントの『透明人間の告白』が「本の雑誌」の30年のベスト本だということを知り、「インビジブル」の原作かと思って読んでみました。
読み終えた後で「インビジブル」とは全く別の話だと知りました。こちら『透明人間の告白』は、全体的にはディテールの記述がとても詳しく、そのためややもするとくどいなあと感じる所もありますが、サスペンスの要素がふんだんにあり、結構ハラハラドキドキの連続です。最終的にはなんとなくハッピーな感じなのが救われます。この点主人公が悪役でかつ恐怖映画に近いテイストの「インビジブル」とはだいぶん違っています。
そんなわけで時間ができたらこの原作に基づいて作られた映画「透明人間」も観てみようかなという気持ちになったり。(新潮文庫版はないようなので、河出文庫のリンクを掲示しておきます)