来月から約半年間、富山国際大学の現代社会学部という所で情報社会論という講座を受け持つ予定です。
この連休で準備を進める予定なのですが、その前にある方に是非お会いしておきたいと思っていました。今日偶然チャンスがめぐってきたので、その方=同大学で以前教鞭を取っておられ、今は富山市某寺で住職を務めておられるN先生に挨拶に行って参りました。
ご無沙汰を謝し近況報告をした後で「N先生の行っておられた大学で半年間講座を持たせていただくことになりました」と報告したところ、最初に言われたのが「教えるというのは、自分が学ぶべきことを教えるのだということを最近知りました」という一言でした。講座を受け持つに当たっての心構え、姿勢をいきなり教えていただき、出合い頭って感じで強烈なインパクトがありました。1年ぶりに再会して挨拶したと思ったらいきなり私が心の奥底で求めていた核心を突いたアドバイスをしていただける、この辺りがやはりすごいなあと思います。N先生は特に意識して語られたわけではないと思いますが、融通無碍、自由闊達、心がなにものにも囚われていないというか、当意即妙というか、道元禅師の言う「学道の人」なのだろうなあと感じ入るところです。
初めは英語で・・・What You teach is what you need to learn・・・というようなことを言っておられたのですが、ちゃんと書き留めておけば良かったです。
2時間くらい色々な話をさせていただきましたが、冒頭のその言葉が大変強烈でした。
人に教えるというのは、自分の知っていることを上から下すのではなく、人に教えることで自分自身が学ぶ、学び直すことで自分自身の理解が深まる、そのために人に教えるのだ、というわけです。
私はNTTでの仕事を通じて「情報通信」を自分が販売する商品・サービスとして扱い、また「情報通信技術」がもたらす生活の利便性や社会システムの変化について体験的に理解してきたつもりなので、この講座を受け持つことは自分にとって親和性があると感じていましたが、知っていることを伝えるという単純作業をするのではなく、この機会に学び直させていただく、と捉えると、まさに機縁だなと感じています。
学生さんたちのためだけではなく、自分自身のためにも学び、伝えていけるように期間中しっかり取り組みたいと思っています。