ライトタッチのSF伝奇学園もの小説、田中啓文さんの『蓬莱洞の研究』。
この人の本はいわゆるハチャハチャSFの系統に近い、というふうに思っている。
例としては『蹴りたい田中』である。ヨコジュンこと横田順彌さんに作風が近いのかなと思っており、気持ちをほぐすSFとして前作などは読んでいた。
こちらはしかし、伝奇とホラーが入ってきており、軽くはない。とは言え、田中啓文さんらしく、オチはしっかりダジャレでまとめていただいており、は? ・・・わははははははははははははははは、となること請け合い。
言うならば、筒井康隆さんと横田順彌さんを足し合わせて、半村良さんと高橋克彦さんを少し振りかけたような味わいの学園伝奇SFものである。
最近はホラー小説でヒット作を出しておられるようだが、私はあえてこの手のハチャハチャオヤジギャグシリーズを、今後とも応援したい。