宮部みゆきさんの『クロスファイア』

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 なかなか書く暇がなく、読了後2ヶ月以上経ってしまった。
 宮部みゆきさんの本は、どちらかと言うと妻が愛読しているのを、私が妻が読んだ数年後に後追いさせてもらっている。
 エスパーものである。
 女性エスパーと言えば、筒井康隆さんの「火田七瀬」ものか、半村良さんの「魔女伝説」が面白かった。
 筒井さんの火田七瀬は、人の心を読む(聞こえてくる)力を持っていて、はじめはそれを制御するのに苦労していた。
 事務員などの職業に就くのが危険だと思い、お手伝いさんを転々とするという職業を選んだ。
 純情可憐な乙女で登場する。
 途中で能力者を探す組織に狙われて、二作目の最後に命を落としてしまう。
 最終的には神と一体化だったか、神と結婚だったか、そういうような終わり方まで昇華してしまう、三部作だったと思う。
 一方こちらは、清らかな火田七瀬とは違い、悪いやつをやっつける、という使命感に燃えた、でも人をあやめることには変わりはない、少しダーティなヒロインである。
 七瀬よりも年齢も少し上だ。
 いずれにしろ、世間をはばかる生活をしている点は同じかも知れない。
 終わり方がつらい点は、能力者の共通した宿命なのかも知れないが、主人公の青木淳子が次の世代に何かを残しているのかも知れないなと感じられる最後のシーンは救いがあると考えたい。


 そういえば、半村良さんの『岬一郎の反抗』というエスパーものも似たような趣の小説ではなかったか。
 いずれ読んでおきたい。

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