ようやく読みましたM.J.アドラー氏の『本を読む本』

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 読んだらすぐにここへ読後感想などを書けばいいのだが、仕事に追われる日々が続いていると、ついつい後回しになり、机の上に「積ん読」ならぬ、ただの「積んどく」になってしまう。
 この本は宮部みゆきさんの『クロスファイア』を読んだ直後に読了したものであるので、やはり読後2ヶ月くらい経過してしまっている。
 きっかけは、勝間和代さんの『効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法』を読んだことである。
 この中で素晴らしい本だと紹介されていたので、いつかしっかり原本を読んでおかなければと思い、すぐに購入したのだが、ちょっと気持ちが守備的になり、読まず仕舞でここまで来た。あれからもう何年経つだろう?
 ということで本のエッセンスを少し紹介しよう。
1.読書には4つのレベルがある。
  第一のレベルは「初級読書」
  言ってみれば、普通に文字を習い、読み方を覚え、一字一句詠んでいくというもの。
2.第二のレベルは「点検読書」
  表題や序文を見る。
  目次を調べて、本の構造を知る。
  その他、索引やカバーのうたい文句を見る。
  その本の要の部分を想定して、いくつかの章をよく見る。
  ところどころ拾い読みする。
  ここまでが「点検読書」の前半であり、数分からせいぜい一時間程度で行う。これで大体のことが把握できるという。
  後半は、指を本に添えて文字の上を動かし、その速度に従って目で追うというものである。
  これは、恐らく慣れていないとやりにくいが、理解できる部分だけを表面的に読むというやり方である。
  抵抗感があるかも知れないが、難しいことを理解することが目的でなければ、表面読みで構わない、というようなことを著者は言っている。
3.いずれにしろ、本は受動的な読書のレベルで留まらず、積極的な段階へ移すように、と著者は主張する。
  これが第二レベル以上の読書に必要な条件だという。
  そのための基本的な4つの質問。
  質問、とは読者が本(著者)に対して行うものである。
  従って、誰も音声では答えてはくれない。本から引っ張り出すのである。
  そのことを前提に。
  ①全体として何に関する本か。
  ②何がどのように詳しく述べられているか。
  ③その本は全体として真実か、あるいはどの部分が真実か。
  ④それにはどんな意義があるのか。
  これらは、どんな本を読む場合でも、読者がしなくてはならない共通の質問だという。
  これを行わないと、問題の核心を突いたことにはならない。
  第二レベル以上の読書の技術は、正しい質問を正しい順序でする習慣をつけることだ。
4.以降のレベルの詳述は行わないが、ちなみに、第三レベルは「分析読書」
  本を批判的に読むこと。
  高校ぐらいでよく国語の教師から言われたことは、「批判的に本を読みなさい」というものだった。
  それがこの年になってようやくわかってきた。ちと遅い。
  さらに第四レベルは「シントピカル読書」というらしい。
  これは複数の本を同時並行的に読み、色んな考え方・違い・共通点などを、質問を携えながら、自分の論点をまとめ上げていく読み方だという。
  テレビの「キイナ」がやっていたのはまさしくこういう読み方だと思う。(かなり魔法的な速読までやっていたが)
 ということで、本を読むための技術が、きちんと整理された良書だと思う。
 色々読書技術に関する本を読んでいるが、いずれも「質問しなさい」ということがきっちりと書かれているのはどの本にも共通したことだ。
 自分が判断の主体であり、その判断のために、主体的に必要な情報を収集し、活用しなさいよということだと思う。あとはテクニックだ。さあ、また読んで人生をより豊かなものにしていこう。

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ようやく読みましたM.J.アドラー氏の『本を読む本』」への2件のフィードバック

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    > 参考になりました♪
     ありがとうございます。

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