一昨日のニュースステーションでトヨタの豊田章男社長のインタビューが報じられた。
超大企業創業家の御曹司。
満を持しての登場であるが、社長就任のタイミングも大変難しい判断があったろうと思う。
にも拘わらず、社長就任以降もリコール問題やリーマンショック、その後の不況などで大変難しい舵取りの連続の日々であり、まさに渦中の人ですらある。
(でも社長であり、経営していかねばならない立場であることは、世の多くの経営者となんら変わりない)
豊田社長の肉声を聞く機会はそうないなと思い、画面を見つめた。
当たり前のことだが、日本のトップ企業の社長の言葉として、私なりに心に響いた。
曰く、石にかじりついても雇用を守る。
曰く、30万人の従業員の最終責任は私にある。
曰く、それは決めることである。
曰く、決断は3秒でしなくてはならない。そのためには常日頃、世界でいい車を作ろうと懸命になっているみんなの苦労や頑張りを見、聞き、肌で感じることだ。
ギャンブルで会社の金を湯水の如く使ったどこかの上場企業の御曹司とは大違いだ。
感動した、とつぶやいたところ、ある元経営者の方からご指摘をいただいた。
<素晴らしいといえば素晴らしい。しかし、これはすべての社長たる者が「当然」として持つべき覚悟ではないか。その覚悟がなければ、すぐに社長を辞めた方がいい。>
そのとおりだと思う。
至極当たり前のことだ。
しかし、この当たり前の「決意」ができていない経営者も世の中には多い。
特に創業者が苦労して今の地位まで持ってきたことが胆からわかっていない二世経営者に多い。
豊田社長の、当たり前の真摯な態度に、超大企業のトップのおごりではなく、謙虚な誠実さを感じた。