JRが大好きだ。
「線路は続くよ、どこまでも」という歌とともに育った世代であるせいかも知れない。
車よりJR。
JRは瞬時にして、私たちを富山や金沢や大阪や博多や名古屋や東京へ連れて行ってくれる。
瞬時は大袈裟かも知れないが、昔と比べると、格段の速さだ。
映画を一本観て、ちょっと一眠りしているうちに、大阪などへはじきに着く。
しかも強い。
雪が降ろうがなんだろうが、ガシガシ走ってくれる。
そういう頼りがいがあった。
あった、と過去形で書いたのは、今のJRの運行があまりにもひ弱な感じだからだ。
悲しいくらいである。
今日の北陸線に乗った方は皆さんわかると思うが、まず、朝、泊だかどこだかでポイントの切替がうまくいかずに、ダイヤが乱れ、私の乗る魚津では、7時3分に来るはずの列車が来ず、その次の列車が少し遅れて入ってきた。しかも前の列車に乗るはずの乗客も連れてきているので、もうすし詰め状態だ。
何が原因でそういうことになったのか。
雪?
ではなさそうだ。
いや、寒さで凍り付いて、ということかも知れないが、昔なら、お湯をかけるとかの対処をして自然に立ち向かっていたはずだ。(凍り付いて、という仮説のもとの話なので、違っていたら対応策も当然違うのだが)
それがどうだ。
民営化この方、人が少なくなり、ほとんど機械化、遠隔操作、というやり方をせざるを得なくなり、ちょっと遠方で故障があったり自然の威力でトラブルが発生すると、もうなすすべもない。
帰路。
今度は直江津~糸魚川間で「架線トラブル」発生とのこと。
それも午後2時ぐらいの「トラブル」らしいのだが、iモードで「JR西日本運行情報」を見てびっくり。
その時間以降の特急がほとんど運休。
各駅停車も運休が続出。
私は午後9時4分発の富山駅からの下りに乗ろうとしていたのだが、午後8時ぐらいの折り返し列車がまだ来ておらず、それを代替するという。
午後2時の故障の影響で、午後9時にまだまともになっていないJRのダイヤとは一体なんなのか。
しかも途中の駅で、急病人が発生して、その駅でずっと止まっているという。
ホームで寒い中、待っている大勢の人たち。
なぜ止まっているのか、どう対処しようとしているのか(たとえば、救急車が到着するのを待っているので、というアナウンスをするのも手だが)、まったくわからない。
そのうち、9時44分発の列車が入ってきた。
件の列車はまだ途中の駅を出発していない。
ええっ?って感じである。
このままでは、向こうの方が先に出発しそうな按配だ。
慌ててその列車に乗り込む人も出てくる。
どっちの列車が先に出るのか、まったく情報が来ない。
ホームの人たちはみんな不安な表情で戸惑っている。
不親切この上ない。
雪に弱いJR。
客に適切な情報提供をしないJR。
インターネットでも中途半端な情報提供しかしないJR。
「危険ですから黄色の線の内側までお下がり下さい」を自動アナウンスで連呼する、責任逃れ体質を感じさせるJR。(こんな自動アナウンスを連呼するシステムはおかしい! 人が大勢いればずっと鳴りっぱなしになる。うるさくてかなわない)
と、本当に脆弱さを感じる組織になってしまった。
旧国鉄は組合が強く、元々顧客志向があまりない内向きの組織だと言われていたが、それでも雪を掻き分け、力強く走った。
スピードではない。
やたら早く走ろうとして事故を起こした尼崎のようなことを言っているのではない。
あれはスピード競争というモラル欠落が引き起こしたものだ。
過去のJR(旧国鉄)は、もっとノブレスオブリッジがあった(と思う)。
乗客をちゃんと目的地まで、きちっとした無理のないダイヤを組んで、きっちり運ぶ。
これが国鉄のポリシーだったはずだ。
今は、形ばかりの安全重視。
とても本当に客の利便を追及しているようには思えず、実態が伴っていないように思う。
どうにかしてる。
もっと力強さを取り戻して欲しい。
しっかりして下さい、JRさん!