Twitterを見ていたら、ソフトバンクの孫正義氏がNTTを買うのではないかというような「つぶやき」があった。
あの人なら買うかも知れないなと思った。
最近、光インフラを分離せよ、との論調が出ている。
NTTから光インフラを取ったら、何が残るだろうか。
光インフラはNTTの寄る辺である。
ラストリゾートという言い方もなされているくらいの重要な経営資源である。
それを取ってしまうと、もはや何も残らない。
その光インフラを分離せよ、というのが最近のニューコモンキャリアーの主張である。
その意図は、つまり日本の国から通信インフラを取り上げてしまおうということなのかも知れない。
誰が?
誰かはわからない。
が、その尖兵が孫さんかも知れない。
そんな陰謀ものではなく、純然としたビジネスゲームとしての取組かも知れない。
しかし孫さんがNTTの「使える」インフラを買おうとすることは十分ありうる。
だけど、投資家に日本の最重要インフラを渡してちゃんとした保全ができるだろうか。
NTT社員の特質は、国のために自分の何かを多少犠牲にしてもいい、というノブレスオブリッジがあることでである。
ソフトバンクの社員にそういう気概があるだろうか。
お金儲けをしたい、という動機はあるだろう。
ビジネスマンならそれが普通だ。
しかし、旧3公社の人々は、国のために何かをしている、という意識が根底に流れている。
NTTはその最たるもので、いまだにそういう気持ちを持っている。
それがNTT社員のDNAだ。
そういう気持ちで孫さんやその周辺の人々が仕事に取り組めるだろうか
私は疑問だ。
北尾さんとかも中国の古典だとか、安岡正篤とかについての本を色々書いておられる。
人物なのだろう、と思う。
だけど、投資家だ。
自己犠牲の気持ちの下、利益より公益だという意識の下、仕事をしている十数万の人たちの気持ちが、本当は日本の通信インフラを支えている、ということを肩代わりできるのだろうか。
私は疑問だ。
彼らがもしNTTを買ったら、うまみのあるところだけを残して、大多数の既存のネットワークやそれを支えている多くの既存の社員は捨て去られるだろう。
投資家というのはそういうものではなかろうか。
早晩、日本の通信インフラは崩壊するという気がする。
考えすぎだろうか・・・。