父の病状そのx

LinkedIn にシェア
Pocket

 父が死地から帰ってきた。
 先日酸素マスクが取れ、次いで点滴がはずされた。
 38度から39度台の高熱が3~4週間も続き、糖尿病が悪化して肺炎を併発し、挙句の果てには心拍数が30まで落ちてもうだめかも・・・と言っていたのが嘘のようだ。
 昨日医師から胃瘻(いろう)について説明を受け、実施してもらうことにした。
 胃に穴を空け、そこから栄養分を入れるための手術である。
 口からものを食べることができない現状からすれば、カロリーを得るため、鼻から胃までのパイプをつけたままで行くか、時々肩口から太い血管に直接注射を打つか、といった方法があるようだが、現時点では胃に穴を空けるのが一番いいようだ。
 父がわかるかわからないかは不明だが、一応話しをした。
 「医者にまかせる」というようなことをモゴモゴと言っていたので、わかったのかも知れない。
 良いに悪いはつきもので、意識が戻ってくると、自分の置かれている状態の悪さにも気がつくようだ。
 今日、母に言った言葉。
 「オレはこれからどうやって生きていったらいいのか」
 ・・・確かに。
 歩けるわけではない。半身不随。
 言葉も明瞭には発せられない。
 口からものを食べることができない。
 そんな状態では「どうやって生きていったらいいのか」と言いたくもなる。
 「いっそ死にたい・・・」
 
 懸命に看病してここまで立ち直ったかと思ったらそんなセリフを。
 母の苦い気持ちが伝わってくる。
 折角拾った命を、と思うのだが、本人がそう思うのは仕方がない。
 我々としては、残された脳の機能で潰れた部分の機能が少しでも補われ、何か一つでも機能が改善されるよう祈るしかない。
 本人には自分の力を信じてリハビリに取り組んでもらいたい。
 希望を捨てないことだ。

LinkedIn にシェア
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です