村上春樹『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』

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 長いことかかった。
 たぶん、上下2冊を読み終わるのに4年ぐらいかかったのではないか。
 原因はひとえに私の遅読でしかない。
 夜寝る時に、時々開いては1ページか2ページ、多いときには1節ぐらいか。
 そんなことで、ようやく、この本を読み終えた。
 意外な結末だった。
 「世界の終わり」の主人公と「ハードボイルド・ワンダーランド」の主人公は、たぶん、前者が眠りにつき、その夢の中の世界での出来事が後者なのだろうと思うが、いずれにしても、相当な物語である。
 最後に夢の中から現実の世界に戻ろうという刹那、影だけが戻って、本人は結局夢の中に残ってしまう。
 同じ一人の人間の、本体と影が別々に生き別れてしまうというのは、いったいどういうことだろうか。
 物語だからいいのかな?とか色々思うが、ともかく、妙な終わり方の物語である。
 しかもこれだけのページ数がありながら、登場人物がとても少ない。
 実質、ほとんど4人か5人がメインで、あとの人物にしても数人しかおらず、それらの人の登場シーンはほどんどない。
 深い感動・・・ではない。
 でも何かが残る物語だった。
 まあ、面白かった。(しかし4年かけて読むものではない。村上春樹さん、すみません)

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