亡き上司の蔵書の整理をしなくてはならないかも知れない。
私が入社した時点で、既にハードカバー3000冊を蔵しておられると聞いていた。
月に10冊ずつ買っておられた。
一年で約120冊。
当時就職してから25年ほど経過しておられたので、ざっくり3000冊になる計算だ。
ちなみに文庫本は本ではないと言っておられたので、全てハードカバーである。
(文庫本は本ではないという見解には色々異論もあろうけれど)
そして、買った本は全て読了しておられたようだ。
凄い読書量である。
それ以後もたぶん同じペースで本を買い続けておられたようだ。
私が入社してから約20年を経て、上司は鬼籍に入られた。
本の数は恐らく単純計算で5000冊にもなっていよう。。
上司が所蔵している本を私に委ねたいというようなことを、確かお元気な頃に何度か仰っていた。
しかしあくまで酒の席の話であり、半分期待はしていたが半分以上冗談だと思っていた。
本当に本気なら、お元気なうちに蔵書の場所を案内するとか、具体的な「引継」の段取りの話などになるはずだ。
だがそういう話には遂にならずに逝ってしまわれた。
具体的な話ができなかった、としたら、その理由は、一つには私がずっと大阪にいたために話す間がなかったということがあるかも知れない。また、上司がまさか死ぬとはご本人も想像だにしていなかったことなのかも知れない。
にもかかわらず「遺言だ」とある大先輩が言う。
私は遺言としては聞いていないし、蔵書の場所すら見たことがない。
困った。
と思っているが、なんとかしなければならない。
もちろん、奥様はじめご遺族がいらっしゃるので、その方々のご意思を確認するのが先決である。
しかし、もしも本当に私が処置しなければならないとなったら、それはそれで気合を入れて、故人のご遺志にそむかないように対応しなければならない。
蔵書の整理は大変なことだ。
単純に古書店に引き渡すなどもってのほか。
かと言って5000冊の本を引き取るスペースがあるわけでもない。(つい先週ようやく段ボール45箱分の本等を整理し終えたばっかりだ)
はてさて。
故人のご遺志は奈辺にあろうか。