親戚の葬儀にて

LinkedIn にシェア
Pocket

 妻の伯父が亡くなった。
 男手が足りないのでということで納棺のお手伝いに行った。
 まだ映画「おくりびと」を観ていないが、映画のシーンもこうなのだろうなあと思わせるような、丁寧で手際の良いプロの仕事で、オークスの係の方が故人の体を拭き、白装束を着せておられた。それらの仕事を全て布団をかぶせたままでなさっていたのが驚きだった。
 「納棺の儀」というものを初めて目の当たりにしたのだが、てっきり丸裸の状態にして、せっせと体をふきまくるのかと思っていたがさにあらず、であった。
 布団からお棺への移動。
 一番重い頭の部分を持った。
 すぐには持ち上がらない。
 とてもとても重い。
 首の奥まで手を差し込んで持ち上げた。
 冷たい。
 ドライアイスがあるからか、と思ったが、そんなものは首の周りには置いてない。
 あ、そっか、死んだ人は冷たいんだ、と気がついた。
 お通夜。
 意外な人がやってきた。
 プロ野球セ・リーグの元審判部長のT澤氏だ。
 お通夜が終わり、親族控え室に遺体が運ばれ、皆で食事を取った時に同席された。
 故人の話を色々なさった。
 40年以上の付き合いだという。
 信念を持ち、哲学を持っていた人だ、と話しておられた。
 野球のレベルが向上するためには審判の技術の向上が不可欠だ、と言ってアマチュア審判であるにも関わらず、プロと一緒にレベルアップの研修などを受けていたということだ。プロとアマの「ベルリンの壁」よりも高い壁をぶち壊した人だ、富山の野球界に大変素晴らしいものを残した人だ、とほめ称えておられた。
 T澤さんと言えば、超有名人の審判部長だ。
 そういう人からこれだけのことを言われる義伯父。
 私は直接お話したこともないが、すごい人が身近にいたんだなあと亡くなってから感心した次第。
(T澤さんは、翌日の本葬にも参列して下さった。78歳というご高齢にも関わらず、わざわざ東京から飛行機に乗って富山くんだりまでやってこられ、2日間びっしり故人の冥福を祈る儀式に付き合って下さった。なかなかできることではない。感謝)

LinkedIn にシェア
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です