昨日の早朝、富山市北代の「北代営農組合」作業場から、連休中に収穫したばかりのコシヒカリ約750キロ分、30袋もの米が盗まれた、らしい。
報道によると、作業場は組合加入の農家が収穫した米を保管する建物で、建物は窓が割られており、犯人は侵入後、シャッターを開けて車で米を運び出したとみられているそうだ。
30袋の米を盗むということは、とても一人ぐらいの人間で一気にできるものではない。
複数の人物が関わっているのは間違いないだろう。
我々は子供の頃、米というものはお百姓さんが88回の手間暇をかけて作る、大変多くのプロセスがあり、あたら一粒の米といえども粗末にしてはならない、ときつく教わって育ってきたものだ。
どんな背景があって盗難したのかはわからないが、農家の人たちは精魂こめて作っている農作物を盗むというのは、許されることではない。
とても腹が立つ。
確かに、日本全体がひもじい時代は、芥川龍之介の「羅生門」のように、人の食べ物を奪い、さらには人肉すら食らうような、道徳より生存、という時代があっただろうと思う。
たぶんつい最近までそうだったのではなかろうか。
しかし、この平成の世の中にあって、米を盗むとは一体なんだろうか。
それほどひもじいのか、それとも単なる金欲しさからだろうか。
隣の新潟でも米が盗まれたということだから、広域的な組織犯罪か、それとも連鎖反応かわからないが、いずれにしても、我が日本人の主食である米が盗まれるというのは、よほど日本も心の貧しい国になってしまったものだと思う。(高価な品物なら盗んでもいいとは決して言わないが、最低限の倫理観すらなくなってしまったのか、と本当に嘆かわしく思う)