8月4日から5日にかけて、京都から奈良、大阪と大きく右回りの旅行をした。
まず初日、朝一番のサンダーバード(午前7時7分発)で魚津駅を出発。
福井を過ぎたところで車内アナウンス。
湖西線で人身事故があり、そのため琵琶湖の東側を通る北陸線から迂回して行くとのこと。
翌日の新聞では、比叡坂本駅でホームから人が落ち、大阪発のサンダーバードがブレーキを踏んだが間に合わず死亡した、とのことであった。
結局、通常の路線に我々の列車が闖入してしまったわけだから、当然スムーズには走られず、約1時間遅れの午前11時過ぎに京都着。
1時間の遅れは旅程に大きく影響する。
しかも暑い。なんと最高気温35度の日となった。
まず向かうは竜安寺。
ここ数年ずっとあの石庭をもう一度見たいなあと思っていた。
直通までは少し時間がある。
京都駅のバスターミナルで通行人の整理をしていたおじさんに聞くと、立命館大学行きで終点まで行けば歩いて5分だよ、とのこと。
それに従って行く。
終点。
500円で一日乗車券というのがあるのだが、ターミナルで買う時間がなかった。
バスの中でも販売しているという。
この先間違いなく500円以上は利用する。
買おうと思ったが、私も妻も、バス一区間分の小銭はあるが、千円分の小銭がない。
運転士に一万円札で買えないか?と言ったがお釣りがないとのこと。
小銭を用意するのはバスに乗る時の常識ではある。
無理ならしょうがないと思い、440円を出そうとしたら、運転士が私の動きを制して「次にバスに乗るときに間違いなく一日乗車券をお買いになるのであれば、その時に買って下さい。今払われると二重になりますから」と言ってくれた。
これは嬉しかった。
奇特な人もいるもんだと思った。旅の始まりのラッキーに感謝した。
竜安寺。
到着してビックリ。
外国人の団体の多いこと多いこと。
お堂の入り口に「三脚使用禁止」と書いてあった。
え?ということは写真撮影はOKなの?
と思って付近を見ると、外国の人々があちこちでシャッターをパシャパシャやっている。
日本の客も同様にシャッターを切っている。
これだけ外国人観光客が多くなると、日本の寺も国際標準になってきたかなと感慨。
まあ仏様を写すのとは違うので、いいのかな。
人が多く、前方までなかなか行けなかったが、ようやく方丈のへり、屋根の下に辿り着き、腰を下ろした。
妻が一言。
「この風を感じたかったのよ」
暑い中を歩いてきたため、ふと出た一言ではあるかも知れないが、日頃苦労をかけている妻のこの一言で、連れてきて良かったなと、私も心底癒された。
寺務所で朱印をお願いしたときに、明石散人さんの『竜安寺石庭の謎』という本が目に入り、買ってしまった。
明石散人さんの本としては、この他に高橋克彦さんとの対談である『日本史鑑定』というのがあり、それはなかなか面白い。
が、それ以外の本は、今までパラパラ読みをしたところ、どうも学術的というか説明調というか、謎解きのプロセスを書いておられるのだが、難しい。しかも最終的に<これが答えだ>というのがはっきりしないので、さんざん謎の中に入り込ませられて頭が混乱した挙句に答がないという消化不良な状態になってしまう。
結局この『竜安寺石庭の謎』もそんな感じだ。
でも、細川政元という人物には俄然興味がわいてきた。
その意味では買って良かった。
ということで両替もできたところで、竜安寺を後にして、バスで京都の北部を大きく右旋回。
途中「金閣寺道」というバス停で乗り換え(その時に一日乗車券を購入)、「銀閣寺道」へ。