辻信一という人の話を聞いた。
魚津市の天神山にある「新川学びの森天神山交流館」で行われた「森のゆめ市民大学」という市民参加型の生涯学習クラブ、みたいなものであろうか。
先月、友人の誘いで行き始めた。
元々は故・筑紫哲也氏が始めたものらしい。
100人以上の人が聴講していた。
話は、現代文明の危うさと経済成長のペースを落とさなければ、人類にとって致命的な破綻が訪れるよ、というような内容。
化石燃料が永遠に続く、ということを前提に、我々の社会は作られている。
都市の集積もそうだ。
「石油」がだめなら「原発」で、という発想はその域を出ていない。
となると、地球の地下にほぼ無限大にあると言われている「地熱」についても同じレベルの発想だと言われるかも。
しかし、では、今、何をどうしたらいいのか。
ものを食べるためには食糧を買わねばならないし、そのためにはお金がいる。
お金を得るためには仕事をしなくてはならないし、そのために会社で働く。
会社に行くには車か電車で出勤しなくてはならないし、そのためには間違いなく化石燃料などの大きなエネルギーを出すものに頼らざるを得ない。
今の社会構造を変えることが我々一人ひとりにできるのか。
と考えた途端、思考は停止してしまう。
辻氏は、まずは地産地消から、と言っておられた。
私たちにできること、というのがもう一つのメッセージだ。
晴耕雨読、という暮らし方ができれば、私もそうしたいところだ。
しかしなかなかそうはいかないのが現状である。
太陽光発電などはどうなんだろう?
静脈経済という考え方や、それを担うビジネスもある。
そういうレベルでものを考えるのが、そもそもマインドセットが変わっていないということかも知れないが、一気に色んなことを変えることはできない以上、徐々にそういうものに参加していくことで、文明の崩壊を緩やかなものにできるかも知れない。
色々と考えさせられる講演だった。