GW2日目。
今日の出来事。
朝8時に家を出発し、富山市は八ケ山にある旧富山城主前田家代々のお墓がある長岡墓地を守っておられる御廟真国寺へ。
偶然知ったことだが、ここで毎月第一日曜日に写経会を催しておられる。
ご住職はN先生である。
N先生は十五年ほど前から、富山県の肝煎りで始まった、普通の県民がお互いに教え、教えあうというコンセプトの「自遊塾」の講師をなさっていた。初代の塾長もされていたらしい。
私が教わった時は「創造的問題解決の技法」というようなテーマで、起こった問題をマイナスとして捉えず、それを機会として捉え、いかに自分に有用なものに転化できるように相対していくか、その心の持ち様や問題への接し方などについてゲームなどを交えながら教わった。
知的で刺激的なひと時だった。
こんにち、自分が困難を多少なりともプラスに捉えることができるのも、その時に教わったことが素地として自分の中にあるからではないだろうか、と思ったりもする。
今日は十数年ぶりにお目にかかったのであったが、会う早々「全然変わってないですね」というのが先生の最初の一言だった。
まあ、そんなはずはもちろんないのであり、やがて五十に手の届く身であり、当時は三十そこそこ。頭は薄くなり、顔の表情はくたびれ感が出ていると思うが、たぶん、毎年の年賀状に顔写真をのっけているからだろうなあと思う。
こちらも、最近の先生のホームページでお顔を拝見しているので、違和感なくすっと入って行けた。
情報機器と通信環境の高度化のおかげであろう。
写経は1時間半。
慣れている人はたぶん1時間ぐらいで終わるのだろうけど、5年に一回ぐらいしかやっていないし、姿勢は悪いし字は汚いしで、とにかく、やることそのものを念頭に置いてじっくりきっちり写させていただいた。
雑念を追い払おうとは思わず、出てくる雑念とはそのまま向き合い、相対し、書き続け、また雑念とつきあい、いつの間にかその雑念はどこかへ行き、さらにまた別の雑念が出てきてそれと付き合い、ということを繰り返しているうちに、やがて最後の行になる。
先生とは久しぶりにひざ詰めでゆっくり話をさせていただいた。
マザーテレサやヘレン・ケラーにはじまり、野口英雄に飛んだり河合隼雄が出てきたり山折哲雄が出てきたり、さらにはユングやフロイトが登場して元型論や共時性の話になり、動詞より目的語が実は決定的に重要なのだという話があったり、映画の「マトリックス」の話があったり、般若心経の色即是空空即是色の意味を教えていただいたり、と、既に私の記憶は順不同状態で混沌としているが、とにかく、そういう感じで話題は汲めどもくめども尽きることなく、古今東西縦横無尽であり、大変楽しい時間を過ごさせていただいた。
魚津に戻ってからは、先生の話に触発され、新刊書店とBOOK OFFを回り、BOOK OFFで十数冊の本を購入した。
買った本は『引き寄せの法則』『ザ・キー』『リスク』『ビジョナリー・カンパニー』『仮説思考』などである。締めて中古本ながら12200円のところ、なんと半額で入手できた。GW特別セールでもやっていたんかいな? それに、これらの中には、半年以上前から探していたものもあり、これも何かの縁、セレンディピティかな?と思う。
帰宅してからは、子どもたちともいつもよりはあったかい、普通の会話ができたようにも思う。
ということで、十数年ぶりの邂逅と、自分を再度見つめなおすことができた日であった。
合掌