日展100年という展覧会に行ってきた。
図画工作から美術といわれる科目に至るまで、学校の成績は悪かったが、大人になってから何かをさかい絵が好きになった。
これまで訪れた個人の美術展では、下保昭、鴨居玲、ダリ、篁牛人、東山魁夷、平山郁夫などが素晴らしく良かった。
子供が生まれた後、彼らが大きくなるまではなかなかこういうものに触れる機会がなかったし、最近は単身赴任やらなんやらで、仕事と生活以外のことはあまりできなかったので、たまにはいいものだ。
さて、件の「日展100年」だが、会場は富山県立近代美術館というところで4月からやっていたもので、5月18日が最終日だった。
富山県内で開催される美術展は、これまでの最高動員数が、東山魁夷展の時の4万人だったらしいが、今回の「日展100年」はそれをはるかに超える人数が訪れたということだ。
さすがに最終日とあって、朝一番で出かけたが、大勢の人で賑わっていた。
元々は明治末頃に始まった文展というのがその起こりであり、戦時中は帝展といい、終戦後は新文展となり、さらにその後民間が運営するようになって日展となって今日に至っているらしい。
私のお気に入りは山元春挙という人の「富士二題」という一幅の絵のうち「秋晴れ」という、富士山を背景にした農家の絵である。
その他に、第1回文展に出品された新海竹太郎という人の「ゆあみ」というブロンズ像。天平的ヘアスタイルのとても美しい女性の像で、かみさんを横にしてしばらく見惚れてしまった。本来の所蔵場所は山口県立美術館らしい。
書では、村上三島という人の「知命者不怨天」(命(めい)を知る者は、天を怨まず)というのが良かった。文字、というより、その言葉が気に入った。
この展覧会は昨年の東京を皮切りに、仙台、広島と来て、ここ富山会場の計4会場でしか開催しないらしい。まれな機会に恵まれて幸せだ。
しばらく美術作品とは縁がなかったが、これを機にまた色々見て行きたいものだ。