知人にO氏という人がいる。
この人から、ご自身の書かれた本を分けていただいた。
その中に「3×3のメモ」というようなことが書かれており、興味を惹かれたが、文字面だけではよくわからなかったために、実際どのようなことをしているのか尋ねた。
で、見せていただいたのが上記のようなメモである。
私の仕事柄、時々刻々新しい課題が発生し、上司や担当者との調整や相談も多いため、現実的には全ての課題について、こういうもので整理しながら、あるいは書き足しながら仕事を進めていく余裕はないのだが、比較的大きなものについては、何日かに一回ずつこのシートをワープロ打ちして手元に置いている。重要な課題が新たに発生した場合は、手書きで追記したりもする。
当然この中には、実現したい自分の計画も書き入れる。それを日々目にすることでアクションを起こさなくてはという気持ちにつながる。
こういう課題メモは、他にも色々あると思うが、画期的なことが二つある。
一つは、仕事だけではなく、プライベート上の課題も含め、自分が対応していかなくてはならないものを全て書くということ。これにより自分の時間の使い方をコントロールすることにつながる。最近話題のワークライフバランスを地で行くようなものだ。
もう一つは、完了した案件を黒丸にしつつ、終わったシートはファイリングされている点だ。O氏の場合はこのシートを毎日更新して毎日プリントアウトしているらしい。それによって自分が過去どういう課題に携わってきたか、またどういう課題を重視してきたかの変遷がわかる、と仰る。一週間前の重要かつ緊急課題が、昨日は最も重要度が低くなっているかも知れない。手帳では課題の重要度の変遷までを見るようなことはできない。
仕事は重要度と緊急度で判断しろ、とはよく言われることであり、しかも実戦に適用できる判断基準だが、3×3の9象限に区切るというほんのちょっとの工夫で、知的生産技術として磨きがかかる好例である。