願いはかなうぞ、という話

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大学一年生の最初の頃は東京世田谷の叔父の家に下宿させてもらっていた。
ひょんなことで、夏休みの一週間ほど前に、突如叔父から、夏休みになったら出ていってくれ、と言われた。
晴天の霹靂ではあったが、それから昼も夜もどこかいい所がないか、大学の掲示板を見たり、寝入りばなに一心に祈ったりしていた。
必死の祈りが天に通じたのか、それから数日して、調布に流しと水洗トイレのついた六畳の二階建てアパートが見つかった。
家賃は希望していたより三千円ほど高く、貧乏学生にとっては厳しかったが、命に関わるほどではないため、現地を見て即決した。
鈍重な自分にしては驚くほどの手際良さですぐに運送屋に連絡し、夏休みの初日に、叔父宅を後足で砂をかけるようにして引き払った。新居に荷物を放り込んでから帰省した。
今にして思うと、必死の祈り、願いが天に通じたのだろうなあと思う、不思議な体験である。
こんな体験があるため、底の底のどん底まで行ったら、ふっと道は開けるものだという信念がある。
皆さんにはそんな経験はありますか?

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